スピーカーについて深く考えすぎる①(BIC DV62si レビュー編)


いわゆる「ちょっといいスピーカー」が欲しい。

もう、ずっとだ。ずっと買えないでいる。こんなに世界にスピーカーが溢れているのに、だ。

This is Nautilus! ちなみにちょっといいどころではない(笑)

僕のことを知っている人なら、「まだ買ってないの?」なんて言いたいと思うので、言い訳も兼ねて(笑)今回はその理由についてつらつらと書いてみたい。

なお、今回書く内容は「悪意無く、箱型スピーカーをDisっている」ように読めるかもしれないので、箱型スピーカーラブ、もう金庫に入れて保管したいぐらいだわっ、なんて人は「わざわざ」読む必要は無い

なんとなく、高いスピーカーが欲しいけど決め切れない人や、どうにも現行のスピーカーに疑問がある(満足できない)人は、新しい発見があるかもしれないので、ボクと同じ種類の苦悩の一助にして欲しい。




「買わない」のじゃなくて「買えない」

オモロダイバーとしては、ある程度の価格であっても、「納得感があるのであれば買う」を基本姿勢としたいと考えている。

そう、ぶっちゃけて言えば、僕は市販されている「主流の箱型スピーカー」に納得感を持てないでいるという事になる。

その源泉は、主にスピーカーの構造とその価格設定のバランス、具体的には「それをそんな値段で買ってもいいのか」という疑問だ。

何故そんな状況になってしまっているのかというと、僕はあまりに深く(ひねくれて)考えすぎた結果、、どうにも、今のスピーカー構成は構造上の本質的な必然性が薄く、みんなが大好きなピュアオーディオ的観点からも乖離しており、様々な妥協と強引な回避策で成り立っているようにしか僕には見えなくなってしまっていて、そこがどうにもボクの得意な散財の阻害要因となっている。

上記の理由から、「ちょっといいスピーカー」は普通に10万とか20万とかしてしまうので、この疑念を払拭するか、もしくは長考&実験の結果、こうせざるを得ないんだというところを納得するかしない限りは、購入に踏み切れない、そんな状況に陥ってしまっている。

※多くのオーディオにはまったマニアの方々が一向に散財をやめられないのは、「満足していないから」の一言に尽きるのだと思う。

我ながら、本当、面倒くさい性格である事は重々承知している(笑)

でも、これを払拭しない限りは、「ちょっといいスピーカー」なんてボクにはずっと買えないんだろうと本気で考えている。


安スピーカー礼賛

さて、上記は「ちょっといいスピーカー」の話だったが、手元にスピーカーが無いと始まらないわけで、僕だってスピーカーは持っている。

じゃあ、どんな物を使っているのかという話になるのだけど、臆面もなくお伝えすると、音楽鑑賞用には上記疑問を払拭するために絶賛実験中の自作スピーカー、そして、テレビ&映画視聴用には、米国から個人輸入した、一部の界隈で知る人ぞ知る安スピーカー、BIC DV62siというスピーカーを使用している。テレビや映画はこのスピーカーに何度か話題に上げたNuforce Icon Diaというアンプをつないでいつも楽しんでいる。


販売している会社はその名も、BIC America

BIC America - Top Rated Speakers Since 1973
BIGではなくてBIC America。

なお、使用している自作スピーカーについては話が発散するので、詳細は今回は触れないが、使用しているユニットの話だけをすると、台湾のTangBand社が出しているW4-1757SBという「平面バッフル」という変わったバッフルを採用した10cmユニットを使用している。


上記リンク先は1個での販売価格なので注意。

値段で言うと、安く調達しても左右2個で25000円くらいはするので、おそらくペア10万円クラス以上の市販スピーカーで採用される程度のユニットと考えても良いだろう。(実際にはスピーカーにおけるユニットの占めるコストはもっと小さい気もするが)

なお、自作スピーカーの出来はまだまだ70~80点というところなので、いつか90点を超える事ができれば、ここでも紹介したいと思うけど、いったい何年後になるのやら(笑)

まあそんなわけである程度安い(せいぜい5万円以下)出費でしばらくやり過ごしているのが直近の状況である。


BIC DV62siがどう考えても安すぎる件

僕が「ちゃんとしたスピーカーを買えなくなった」元凶は絶対こいつにあるのだと思っている。

何せクソ安いのにそこそこ聴ける音を出してしまう。

さらに言えば、このスピーカーに組み合わせるアンプとして、相性の良いNuforceのIcon Diaを組み合わせた事も無駄遣いには良くなかったのだろう(笑)

このスピーカー、僕はAmazon.comのレビューで絶賛されていたのを見かけて2012年に楽天が昔やっていた代行輸入サービスを利用して個人輸入したのだけど、当時は送料と合わせても2万以下で購入する事ができた。

当然これは、ペアの値段である。幾ら1ドル80円程度の時代だったからと言って、これは今から思えば、この性能のスピーカーとしては安すぎるといって良いだろう。

何故、当時3セット(マルチチャネル用)くらい買っていなかったんだと後悔しているくらいだ(笑)

なお、ボクが購入した時期と同時期、プロケーブルでもこのスピーカーを輸入販売していて、確か25000円弱くらいで販売していたように記憶している。まあ、並行輸入の手数料も当然あるので妥当な金額での販売と言って良いだろう。

Amazon.comが日本へ配送してくれない以上、代行サービスが必要となったり、結構、自分で輸入しようとすると面倒だしね。

そして、その後円安が進み、現在は日本のAmazonでは3万円弱で販売されている模様。

まあ、当時の価格からすると割高になっているけど、僕はこれでも十分選択の価値があるとは思うけどね。




なお、リンク先の販売者であるプロのケーブル屋さんは、この業界では有名な方(いろんな意味)で、そこのサイトに行くとこのスピーカーの推奨記事が読めるので、参考に読んでみても良いと思う。

ただ、そこそこキモ熱が強すぎて、天邪鬼な人は逆に購入意欲が無くなるかもしれない(僕もその類。読む前に購入してよかった。)のでそこは注意(笑)


BIC DV62siのプチレビュー

さて、値段の話ばかり書いていてもしょうがないので、このスピーカーについて少しレビューしてみたいと思う。海外サイトの真似をしてPros(良い点)/Cons(悪い点)方式で書いてみよう。


  • Price (MSRP): $275 / Pair
  • Design: Video-shielded, two-way, "venturi" tuned-vent bookshelf
  • Frequency Response: 43Hz - 21kHz (+/- 3dB)
  • Sensitivity: 90 db @ 1 watt, 1 meter
  • Drivers: 6 1/2" poly/graphite woofer, custom-designed 3/4" poly soft dome tweeter
  • Magnetic Shielding: YES
  • Gold-Plated Terminals:YES
  • Recommended Power: 10-175 watts per channel
  • Impedance: 8 Ohms
  • Dimensions: 14.25" H x 8 7/8" W x 9 1/8" D
  • Weight: 31 lbs Per Pair
  • Warranty: 7 Year Parts and Labor

Pros(良い点):

ウーファーが16.5cmと大きく、バスレフ型でもあるので低音に余裕がある。
能率が90dBと高く、非力なアンプでもキビキビ駆動できる。
・ボディがそこそこ大きく、ウーファーも大きいため、バスレフに頼らない自然な低音が出る。また、ボディの大きさゆえ、特に中低域の出音に無理がなく余裕がある。
とにかく安いので、セッティングにもそこまで気を使わなくても良い。ラフに扱える。

プロのケーブルの方が、このスピーカーを評価するのにあたって、「音が気にならず、AMラジオを聴くように、音楽そのものを楽しめる。」なんて書いてるのを後から読んだのだけど、これはなかなかにこのスピーカーの特徴を示していて、僕もこれは「テレビや映画にこそ最適」と思っている。(実際、このスピーカーはAV機器として5.1chのフロントスピーカーとして販売されている)

さて、では欠点について次は書いてみよう。

Cons(悪い点):

・低音が出るよなんてアンプと組み合わせると、途端に低域がボヨつき、その結果、音が少しこもる傾向がある。アンプ選びに注意が必要。
高域は多少伸びない印象がある。
・日本の住宅事情からすると図体がそれなりにデカい(サイズ:22.7cm(幅)×23cm(奥行)×36cm(高さ))
・合板にプリントシート貼りなので、見た目が多少チープ(でもあまり気にはならない)

低音に関しては16.5cmなんてブックシェルフ型としては大きめのウーファーが付いている事もあって、相性の悪いアンプを接続すると、コーン質量を駆動しきれないのか、過渡応答特性が悪くなり、波形が歪み、「その結果、ボヨついた低域が増える」といった状況を生み出す。

低域が増えるならいいじゃないかという意見もあると思うけど、どうにも過渡応答特性が悪くなる事による低域の増加は締まりが無く、合わせて中域(高域はツイーターが担当)も音が遅れるため、弊害の方がずいぶん大きいように思える。

なお、偏見かもしれないけど、よくあるクラスDの中華アンプ(ボクも大量に所持)は、低域が出るほうが良いと思っているのか、不用意な低域重視のチューニングが多いような気がしていて、少なくともこのスピーカーとは相性が悪いような気がしている。

安いスピーカーなので安いアンプを使いたいのだけど。

Conclusion(結論):

それなりに、大きなスピーカーであり、設置に配慮する必要があるが、16.5cmウーファー搭載&バスレフ方式という構成もあって、中域~低域については余裕があり、音楽性高く、音楽を聴かせてくれる

また、高域が多少弱く感じ、アンプ選定によっては低域が緩く、中域が篭る結果につながる可能性があるが、過渡応答特性に優れたアンプを使用する事で、中低域が締まり、全域にメリハリが出ることで、相対的に高域も改善し、バランスの良い出音となる。

なお、90dBという、一般的には高能率なスピーカーであるため、高出力が不要で、「小さな入力で大きな音が出る=ボイスコイル&マグネットが強力で制動能力が高い」と考える事ができ、ここもキビキビした元気のいい出音につながっているように思う。

音楽専用として最高ではないかもしれないが、「音楽もテレビも映画も1組のスピーカーで楽しみたい」という、世の中の大半を占めるライトな層には、その価格も考慮すれば最適だと言い切っていいと思う。

少なくとも、そう思わせる実力がこのスピーカーにはあると、僕は結論付けたい。


天竺への道のりは長し

長い。長いよ、俺。

本当ならば、手持ちの安スピーカーの話から、アンプとスピーカーの相性の話に発展させ、その流れで期待できそうな機器の紹介をし、最後に既存のスピーカーでどうにも疑問が払拭できない課題をまとめようと思っていたのだけど、いつもの通り、書ききらないっス。それはまたの機会に。


BIC DV62siは、まあボクが満足して思考停止になるくらいには優秀なので(笑)、是非、スピーカー選びの際の選択肢に加えてみてはいかがだろうか。




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1 件のコメント :

匿名 さんのコメント...