(※2017年11月に日本での発売が正式に発表されたので、一部内容を更新しました!)
さて、2015年にAmazonが発表した、Amazon Echo、およびAlexaを皆さんはご存知だろうか?
現在は米国などの一部の国でしか発売されていない、この機器は、ジャンルで言えば「スマートスピーカー」という事になっているのだけど、どうにもこうにもそれだけには留まらない、ものスゴい可能性を秘めていて、世界は怒涛のAmazon Echoブームだったりする。
さて、その点で日本はというと、人工知能であるAlexaがまだ日本語に対応できないのと、未だにAmazon Echoの日本における発売が未定、かつAmazon.comでは日本から直接購入ができないということもあり、しばらくは「ヘイ、シリ!」だったり、「オーケー、グーグル!」だったり、どこか陽気な彼らとの付き合いが続きそうだ。
というわけで、今回はAmazonが2017年末には日本語対応するという噂のAlexaと、未来の入り口を魅せてくれるAmazon Echo、そして「オーディオ用途」としての可能性について一足先に紹介してみたいと思う。
「Amazon Echo」&「Alexa」って何者?
さっきも書いたように、Amazon Echoというのはジャンルとしては、スマートスピーカーというカテゴリに分類されている。
では、何がスマートか、ということになるのだけど、簡潔に言えば、「音声で操作が可能」&「ネットワークに接続され、各種オンラインサービスが利用可能」という事で、
- クラウドサービス上の音楽を再生
- Amazon.comでの買い物
- アラームやタイマーの利用
- ニュースや天気予報の確認
- ToDoリストの活用
- 予定の追加や確認
- Wikipediaその他の情報検索
- Amazon.comでの買い物
- その他、Skill追加による機能の拡張(※)
- 音声通話(2017年5月に追加)
- メッセージの送信(2017年5月追加)
といった数多くのサービスがこの機器を用いることで、全て実現可能となっている(現時点は英語およびドイツ語のみ→2017年11月より日本語に対応!!)。
なお、このうち、最後に書いた音声通話とメッセージ送信は直近、「Amazon Echo Show」の発表と共に追加された機能で、このように新しい機能にもどんどん対応していけるというのも、この機器をさらに面白いものにしている大きな特長と言えるだろう。
Amazon Echoの使い方について
さて、このAmazon Echoの使い方についても少し紹介しておこう。
何かサービスを利用する場合、まず「Alexa.(アレクサ。)」と呼びかける事で音声入力待ちの状態にし、そこで「実行したい内容を伝える」というのが基本的な使い方となる。
具体的なところで、操作方法の例を挙げてみると、例えば、何か音楽を聴きたいといった場合には、
「Alexa, play the latest Red Hot chilli peppers album. (アレクサ。レッチリの最新アルバムを再生してくれ。)」
なんて伝えれば、レッチリの最新のアルバム(利用できるサービスに登録があれば)を再生してくれる。
なお、当然だけど、曲の再生&停止、先送り&先戻しやボリューム調整といったプレーヤーの操作もすべて音声で指示ができるようになっている。
また、先ほど書いたようなその他の機能についても同様に、
「Alexa, set a timer for 15 miniutes. (アレクサ。タイマーを15分でセットしてくれ。)」
「Alexa, wake me up at 7 in the morning. (アレクサ。明日の朝7時に起こしてくれ。)」
といった具合に言葉で指示してやる事で、タイマーやアラームをセットしたり、
「Alexa, what's in the news? (アレクサ。どんなニュースがある?)」
なんて問いかける事で、最新のニュースを確認したりと、「Alexa」と呼びかける事を基本動作として様々なサービスを呼び出す事が可能となっている。
当然、現段階では「理解できる言い回し」が限定されているのだけど、この辺りは、CnetがAmazon Echoへの指示の仕方を網羅的にリストにしてくれているので、こちらを参照いただくのが良いかと思う。(なお、日本でも発売開始という事で日本語版のリストを探したけど見つからなかったので継続調査します。)
人工知能Alexa
さて、現時点では人工知能と呼ぶのが相応しいのか、単に「音声認識サービス」と書くほうがまだ相応しいのかは色々意見が分かれるところではあるのだけど、それでも、Amazon Echoを単なる「ボイスコントロールできるスピーカー付ネットワークプレーヤー」を超越したスマートスピーカーへと発展させているのが、この、いわゆるAlexaとなっている。
このAlexa は、簡単に言えば「音声をテキストに変換し、その内容に応じた処理を実行した上で、結果を返す」というサービスで、この仕組みの上で先程書いたような色々な機能が実現されている。
その仕組みだけど、簡単に書くと、以下のようになる。
1.ユーザー側のAmazon Echoで入力された音声がインターネット経由でAlexaに届く。
2.Alexa側で音声をテキストに変換。
3.変換されたテキストに応じた処理を実行。
4.上記の処理の結果をユーザー側のAmazon Echoに返す。
5.返された結果に応じてAmazon Echoが音声を再生。
この仕組みの中で重要なのが、2-4が全て、ユーザー側のAmazon Echoでやっているのではなく、Alexaというインターネット上の巨大なシステム側でやっている点で、これにより、Amazon Echo側にはよりシンプルな機能を実装しておくのみで、Alexaが賢くなればどんどん新しいサービスを利用できるようになるわけだ。
これは本当に画期的かつ合理的な仕組みで、昨今の技術の進歩でようやく実現された未来の入り口だと言い切って良いんじゃないかと思う。
「Amazon Echo」ファミリー
さて、Amazon Echoにはいくつか趣の異なる製品が存在しているので、現時点で発表されている「Amazon Echo」ファミリーについて紹介してみたいと思う。
■Amazon Echo(Newモデル)
Amazon Echoとして日本で発表されたのは、米国では第2世代となるこのプロダクトで、第一世代に比べて、高さが148mmまで低く(初代は235mm)なり、またデザインがよりインテリアになじむように表面がファブリック調の物が選択できるようになっている。
内蔵されているスピーカー自体は初代と変わらず、63.5mmのウーファーと20mmのツイーターのデュアルユニットのモノラル構成となっていて、外部への出力もBluetoothか3.5mmステレオジャックと変更は無い。
初代のAmazon EchoはおそらくUltimate EarsのUE BOOMなどのイメージを踏襲してあの高さで設計されていたのだと思うけど、音質を損なわないギリギリの高さにまで抑えてきたこの第2世代は、しかるべき改変と言ってよく、特に日本での展開ではこの大きさがジャストフィットするんじゃないかと思う。
スピーカー機能にもそれなりに期待するなら、まずこちらのモデルを導入するのが最適解と言い切ってよいだろう。
■Amazon Echo Plus(Newモデル)
初代Amazon Echoが高さを抑えた「Amazon Echo(Newモデル)」の登場に伴い、デザインはそのままで「Amazon Echo Plus」として生まれ変わったのがこちらのモデル。
スピーカーユニットは「Amazon Echo(Newモデル)」と変わらず、63.5mmウーファー&20mmツィーターの構成となっているのだけど、そもそもがこちらの高さでスピーカーとしては最適化っされていたはずなので、音質的にはこの高さが有利に働くことかと思う。
特徴としては「スマートホーム・ハブ」なるものを内蔵していて「Alexaで100以上のスマートホーム製品を設定できる」との事(詳細は並行して調査中)なので、家庭内における最新のスマートホーム機能に挑戦したいという方は、外付けのスマートホームハブの導入は色々と敷居が高い事もあるので、迷わずこちらを選択するのが良いかと思う。
■Amazon Echo Dot(第2世代。日本版も同じ世代と思われる。)
さて、Echo Dotは上記からバッサリと「まともなスピーカー機能」を取り除いたのがこのEcho Dotとなっている。なお、スピーカー機能は「Amazon Echo」よりかなり弱いものの実装されていて、実際は音楽を聴いたりする事も可能だ。
ただ、本機器単体がターゲットとしているのは「Alexaで提供されているサービスの利用」にあるので、その省スペース性からどこにでも設置できるという点が重要なポイントとなるだろう。
なお、Echo DotにはBluetoothスピーカーを接続(おそらくSBCのみ)したり、背面に3.5㎜のステレオジャックがあり、そこから音声出力を行う事もできるので、そこにアクティブスピーカー等を接続する事で、「Amazon Echo」を超える音質での機能利用も可能となっている。
よりシンプル&低価格で、家庭の中への普遍的な浸透を狙ったモデルがEcho Dotという事になるだろう。
■Amazon Echo(旧モデル:日本発売なし)
まず、全ての基本となり、最初に発表されたプロダクトがこのAmazon Echoだ。
一見、象印のマホービンのように見えるコレ(笑)だけど、Ultimate EarsのUE Boomみたいな縦型スピーカーになっていて、この中に、Alexaと連携するためのコンピューターとマイクやスピーカー(ウーファー&ツイーター&バスレフポート)、Bluetoothの機能等が一体型で実装されている。
Amazon Echoは特にこの機器だけで「そこそこのスピーカー」として機能するのが特徴で、Alexaの利用のみならず、Bluetoothスピーカーとしても動作可能など、一般的なユーザーの音楽鑑賞用といった用途にも耐えられるように設計されているがこの製品の特長と言えるだろう。
これぞ、まさにスマートスピーカーという感じで、初代にして完成形といっても過言では無い、素晴らしいプロダクトだと個人的には思っている。
■Amazon Echo Look(日本未発売:199.99ドル)
こちらはEcho Dotのスピーカーをさらに簡易的にして、カメラ機能を追加したものとでも考えれば良いだろうか?
「Echo Look」の名の通り、「you can take full-length photos of your daily look using just your voice.(あなたの日々の服装が声だけで大きな写真で撮れます)」なんてホームページの製品紹介では説明されていて、イメージとしては日々のInstagramなどに自撮り写真をアップしているユーザーを対象にした、そんな製品のように思う。
ちなみに「監視カメラ」としての用途以外、残念ながらボクはこの製品に食指が動いていないのだけど(笑)、一定の必要としている層がいるからこその製品だと思うので、今後の機能の拡張や、ユーザーの思わぬ使いこなし方などでは化ける可能性のある製品かとも思う。
■Amazon Echo Show(日本未発売:229.99ドル)
「Amazon Echo Show」の形状は他の物と大きく異なり、7インチのタッチスクリーン式ディスプレイと前面カメラ、ステレオスピーカーを備えているのが大きな特徴となっている。
発表時に「テレビ電話機能」が大きく取り上げられていたため、一瞬ボクも同様なプロダクトは(成功・失敗は別として)過去にたくさんあり、「既に見飽きた未来像」のような印象も受けたのだけど、逆に考えれば、遂に完成形かつ廉価な製品が出てきたと言っても良いのと、YoutubeのMusic Videoやその他の動画サービスとの連携ができるAmazon Echoという考え方もあるため、俄然興味がわいていたりする。
「Alexa. play "awesome BiSH Mix" on Youtube. (アレクサ。"最強BiSHミックス"のプレイリストをYoutubeで再生してくれ。)」
オーディオ観点で言えば、ステレオスピーカーとなった事も重要で、動画を含めたよりマルチメディアに強くなったというのがAmazon Echo Showの特徴と言えるだろう。
■Amazon Echo Spot(日本未発売:129.99ドル)
米国本国で「Amazon Echo(Newモデル)」「Amazon Echo Plus」の発表時に同時に紹介されたのが、この「Amazon Echo Spot」だ。
位置づけとしてはベッドルームに置く目覚まし時計の代わりのように紹介されているのだけど、色々なレビューを見ていると、上記の「Amazon Echo Show」のミニ版として捉えられているケースも多いようだ。
スピーカー構成としてはモノラルとなっているので、音質観点ではEcho Showの方が良いとは思うけど、とにかく100ドル安くて、テレビ電話機能も使用可能という事なので、Echo Showの代用としてこちらも十分魅力的なプロダクトとなっている。
「Alexa」の在る暮らし。さらにできる事。
さて、このAmazon Echoだけど、実現できる機能がいかに素晴らしくても、結局飽きたら使わないなんて事になるんじゃないか、なんて思う人も多いんじゃないだろうか。
ボクらはSiriもOK Googleも結局たいして活用していないじゃないか、と。
その点ではボクも同じような印象を持っていた。
だけど、色々調べてみるとAlexaの凄いところはその機能の拡張性にあって、利用できるサービスや機能が今後もどんどん発展する可能性を秘めており、飽きる事なく、生活の中に深く浸透していくんじゃないかと個人的には考えている。
特に、ボクが可能性を感じているのが、「Logitech Harmony」という元々「スマートフォンから家電を操作する」事を実現するための機器(日本では未発売)との連携で、「ジェスチャーでテレビを操作可能」とか「お掃除ロボットと会話」とか、これまで低レベルだったいわゆる「スマートホーム」というジャンルが世界標準では一気に加速しているような印象を受ける。
「Alexa, tell Harmony to turn on my home theatre.(アレクサ。Harmonyに俺のホームシアターの電源を入れるよう伝えてくれ。)」
まさに、過去からボクらが理想とみてきた、「人工知能に手伝わせて生活を便利にする」といった漫画やSFで見てきた未来像がこのAlexaの在る暮らしで実現するような気がしていて、こう考えると、本当にワクワクしないだろうか。
オーディオ機器としての「Echo Dot」の可能性を考える。
さて、ボクが実際に一番興味を持っているのが、最も価格が安く、機能実装がシンプルな5980円(49ドル)の「Amazon Echo Dot」だ。
色々調べていて、ボクはオーディオ的観点で言えばこのEcho Dotは「音声入力可能な簡易スピーカー付Chromecast Audio」のような印象を受けた。
先ほども書いたように、このEcho Dotの背面には3.5㎜ステレオジャックが備え付けられているので、ここにアクティブスピーカーや、アンプなどを接続する事で、ネットラジオや音楽クラウドサービスを音声指示で操作可能なオーディオシステムが完成する事になる。
なお、利用できるサービスはまだAmazonが提供しているか、ライバル(GoogleやApple)傘下に無いサービスのみ(※)となるため、現時点ではChromecast AudioやAppleTVやAME(AirMac Express)の方がオーディオ用途としては使いやすいだろう。
※2017年5月現在、音声ストリーミングサービスとしてはAmazon Music、Prime Music、iHeartRadio、Pandora、TuneIn、Spotifyに対応。
また、音声出力の観点でも、現在出力可能なのが、DAC性能(テキサスインスツルメンツ社の汎用DACチップ搭載)がまったくもって不明な3.5㎜ステレオジャック経由か、SBCのみのBluetooth経由かになるため、現時点ではまだ力不足と言って良く、この辺り、本格的なオーディオ用途としては、光デジタル出力を備え付けたその他の機器の方にまだアドバンテージがあると言えるだろう。
そういう意味で、現時点では、Amazon EchoはBGM用途としては必要十分だが、オーディオ機器としてはまだまだこれから、という判断が正しいかと思う。
そう考えると、2Wayスピーカー一体型となっていて、単体でそれなりの音質を望める「Amazon Echo」が現時点ではオーディオのサブシステムとしては最適解という見方もできるかもしれない。
なお、今後、「Echo Dot2」などで光デジタル出力が追加されたり、BluetoothオーディオがaptX/AAC/LDACなどの高音質コーデックに対応したり、可能性は低いけど、「Google Playミュージック」やiTunesのホームネットワーク機能との連携が可能になったりすれば、俄然オーディオ用途として面白くなってくるはずだろう。
是非、この辺りのオーディオ機能の強化が今後進んでくる事も大いに期待したいところだ。
ボクらはAlexaを待ちきれない。
この「小さな機械」でできる事をざっと紹介してみたけど、皆さんはどのように思っただろうか?
ボクはというと、もう本当にワクワクしていて、Amazon Echoが日本で正式に発売される日をもう待ちきれない。
なお、日本語というのは、音声認識にとってはよっぽど厄介な代物のようなので、まだ英語とドイツ語にしか対応できていない現状で、本当に噂通り2017年の年末までに日本語に対応したサービスが提供されるのか、なんとも言い切れない状況だとは思う。
この辺りは、引き続き情報を追っていく必要があると思うので、適宜、情報の更新があれば本記事もそれに併せて更新したいと思う。
いやあ、待ちきれない、、、いや、待つ必要があるのか、、、?俺ら、オモロダイバーだぜ、、、?
というわけで、今後の情報更新をお楽しみに!
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