さてさて、いつもの自分メモですよ!(笑)
最近、VRに手を出したりしたこともあって、映画やライブ映像、ゲームといった「ガチの環境ではない場面での立体音響」にかなり興味があるKichitaroです。
というわけで、今回はずっと以前から気になっていた、「HPL2 Processor Plugin」が自分の環境で無料で試せることに今更気づいたので(笑)、こちらの使用方法と使用感などについてまとめてみたいと思う。
無料でヤバい「HPL2 Processor Plugin」
さて、まずは「HPL2 Processor Plugin」について。
こちらは、アコースティックフィールドが開発元となっている、「2chステレオ音源を、リアルタイムでHPLプロセッシングするプラグイン」というプラグインとなっており、こちらは簡単に言うと、
- ヘッドホン使用時でもスピーカーから鳴っているような自然な音場にする
ためのプラグイン、ということになっている。
この辺り、特に「スピーカーで聴くのが一番好き」な層は理解できると思うけど、ヘッドホンやイヤホンだと、「本来ライブなどでは前から聴こえる音が頭の中で定位する」という本質的には気持ち悪い状況があるかと思う。
これを、プロセッサのチカラでより自然に聴こえるように音場を再配置してやろう、というのがこのHPLのコンセプトになっている。
アコースティックフィールドのサイトには、HPL5/9といったフォーマットの物もあるので、それぞれ5ch/9chの音源にも対応できるのかと思うのだけど、これは「HPL2」という事でステレオ音源に対応したフォーマットという事だ。
foobar2000での「HPL2 Processor Plugin」のセットアップ
「HPL2 Processor Plugin」はVSTプラグインという形式で、主にDAW(Digital Audio Workstation、略称DAW)で使われるプラグイン形式となっているので、ボクもずっと、「自分の環境では使えないなあ~」と勘違いしていたのだけど、実は色々とVSTプラグインに対応しているミュージックプレーヤーがあるみたいなので、今回はこちらを利用して試してみる事にする。
というわけで、今回は、ボクが普段利用しているfoobar2000がVSTプラグインに対応しているとのことなので、こちらへの組み込みについて挑戦してみよう。
foobar2000
バージョンについては、現時点でのStable(安定)バージョンである1.4.6を使用しよう。foobar2000自体のインストールは大丈夫だよねw
初回起動時に見た目のことを聞かれるのでここは適当に。
foobar2000のインストールが終わったら、次は「HPL2 Processor Plugin」を入手しよう。
ありがたい気持ちで(笑)、以下から「Windows OS(7 or newer): VST2, VST3 (32bit, 64bit) 」を入手しよう。
HPL2 Processor Plugin(アコースティックフィールド様サイト)
こちらはダウンロード後に適当なフォルダ(ここではわかりやすいようにC:\vst_plugins\HPL2_Processor_Win_1.0.020_FullVersionに配置した)に配置しておこう。
なお、foobar2000では32bit版のVSTのみが使用できる模様。
次に、foobar2000でVSTが使えるようにWrapperを入手しよう。色々あるみたいなんだけど、ここでは「George Yohng's VST Wrapper」を利用することにする。
George Yohng's VST Wrapper
上記のサイトから「foobarvst.zip」をダウンロード。
解凍後に以下のファイルを全て、foobar2000のインストールフォルダにある「components」フォルダに配置しよう。
その後、foobar2000を再起動すると、以下のようなプルダウン?が表示される(後述するけどWindowsの右下から表示可能)ので、「VST Setup」を選択。
その後、「Add Folder」から先ほどのプラグインを格納しているフォルダを選択する事で組み込みは完了となる。
foobar2000での「HPL2 Processor Plugin」の使い方
さて、という事で、実際にfoobar2000でプラグインを使用してみよう。
一瞬どこから操作するんだろ?と思ったのだけど、どうやらWindowsの右下のメニューから操作ができる模様。右下の「^」からメニューを出して、VSTアイコンの上で右クリックを押すとVSTのメニューが表示される。
ここで「Use VST Effect→HPL2 Processor」としてやると、、、キター!(古w)
で、どうすんだ?これ?(笑)
どうにも、このままだとリアルタイムにはかかっていないんだよなあ、、、
ということで、色々調べてみたところ、追加設定が必要とのことで以下を実施。
「File→Preferences」で設定画面を出してやり、「Playback」というツリーの中から、「DSP Manager」を選択。
右側のAvailable DSPsの中に「George Yohng's VST Wrapper」があると思うので、すぐ右の「+」を押すと、「Active DSPs」側にプラグインが表示されるので、これで設定はOK。
右下の「Apply」ボタンで適用してあげよう。
以上の操作でHPL Processorのウィンドウがリアルタイムにゲージが動作するようになって、ちゃんとプラグインが適用されていることがわかる。
プラグインのオンオフは先ほどのWindows右下のアイコンで操作できるので、聴き比べも簡単にできて便利ね。
「HPL2 Processor Plugin」の効果について確認する
さて、実際にこのプラグインを試してみた結果だけど、印象をざっと書くと、だいたい以下のような感じだろう。
- 想像したより劇的な変化ではないが、確かに音場はかなり変わる。
- プラグインオフだと、耳のそばに全ての音が並んでいるのが、オンにする事で音がそれぞれ自然に分離されて広がる感じ。
- 頭内定位が解消されるわけではないが、ど真ん中を外れて頭皮表面に分散している感じのサラウンド効果?
- イコライザーをかけたような変化ではなく、あくまで自然な音質での効果。
- オンオフで切り替えると、プラグイン無しで聴いている状態が多少違和感のある音場であることがハッキリとわかる。
- 音量はプラグインオンで少し下がるので、聴き比べには注意。
- 高域側が多少削られたような、鮮度が多少減ったような感じになるので音質自体は「劣化した」と感じる傾向。
以上のような感じなので、特に多少はまともなオーディオ機器を持っている人であれば、音質の劣化した感じが許容できないという人もいるんじゃないかと思った。
で、ボクの結論だけど、だいたい以下のような感じ。
- 例えばEarPodsとか普通のBluetoothヘッドホンを使用する際は音質の劣化より、音場の補正の方が恩恵が大きい場合もありそう。
- とにかく音源によっては感じる「耳のそばでゴチャゴチャうるせえな」という状況が緩和されるので、BGMとしての利用には良さそう。
- イコライザーを縦軸&横軸の補正とするなら、このプラグインは奥行の補正なので、イコライジングの一つのパターンとしての使い方はありそう。
具体的な使用方法だと、元々が例えば古いジャズレコードの音源などでは、ヘッドホンの利用時に「左耳のドラムの人が近すぎて違和感がある」みたいなことがあるんだけど(笑)、こういう音源には効果が大きいように感じた。
うん、やっぱりそういう意味では「ミックス違いの別盤を聴く」感じでプラグインを入れておくのも悪くないな。
なお、foobar2000を使うと、上記のプラグインを適用させて音声を別ファイルに保存することもできるので、「CLASSIC JAZZ ONLINE」で落としたTake Fiveの音源を使って、通常のプレーヤーで再生できる、比較用サンプル(AAC形式)を作ってみたので、まずはこちらを聴いてみるのも良いかと思う。
(Original)Take Five - Dave Brubeck Octet
(HPL2)Take Five - Dave Brubeck Octet
どうだろう。結構違うよね?
効果はあり!ただし音源は選ぶかも。
さて、バーチャルサラウンドというものは、実際には他にも色々あって、王道は「映画やゲームといった5.1ch/7.1ch音源をヘッドホンや2スピーカーで再現する」というものになるかと思う。
冒頭にこの分野にもかなり興味がある、と書いたのだけど、他にも色々調べていて、XROUNDから出ているXPUMPという「世界最小ホームシアター」と銘打っているものがあって、こちらは3.5㎜ジャックでPCの音声出力とヘッドホンの間に挟むだけでバーチャルサラウンド効果が産まれる、といった商品もある(めちゃ欲しいその1)。
あとは、もっと王道だと言えるのが、「(バーチャル)サラウンドヘッドホン」と呼ばれるもので、例えばボクもずっと評価の高いゼンハイザーのGSP600が欲しいのだけど、こういうヘッドホン自体にサラウンド効果を追加したものが存在している(めちゃ欲しいその2)。
まあ、テレビ用だとサウンドバーみたいなのが今は王道なのかな?ヤマハのコレとかは評価も高いのでちと気にしていたり。
正直、バーチャルサラウンドだと、こういう、言わば王道に進むのが手っ取り早いんじゃないかと思っているんだけど、今回紹介した「HPL2 Processor Plugin」は試してみた結論だと、こういうものとは違って、とにかくステレオの音楽を自然に聴かせる、ことに主眼を置いているので、こういったものとはベクトルが異なるので、バーチャルサラウンド機器を持っているという人も試してみる価値があるように感じている。
そういう意味だと、映像用のバーチャルサラウンドと音楽用のバーチャルサラウンドは、そもそもの要件が明確に違うんだなあという気付きがあって、今回試したのは良かったなあと思っている。
なお、先ほどからBill Evans Trioの「Waltz for Debby」を鳴らしながらプラグインを試しているのだけど、このアルバムは「確実にこのプラグインを利用した方がヘッドホン利用時には自然に聴こえる」と感じている。
プラグイン無しだと、左耳のベースとドラムの距離感が近すぎるんだよねw
、、、あ、しばらく聴いていると、このプラグインめちゃめちゃ良い事がわかってきた。この音源、効果の確認に抜群にいいかも。
先ほど直感で「古いレコードを元にした音源」と書いたけど、あながち間違っていないかも。元々高域の鮮烈さの無い音源が多いしね。結論的には奥行の補正としてはかなり有効ということになるかと。
以上、今回は「HPL2 Processor Plugin」をfoobar2000で試す手順について書いてみました。
音源によっては結構「オオっ!」という効果が得られる&フリーなので、皆さんも試してみてはいかがだろうか。
スポンサーリンク
スポンサーリンク