コンデジ優勢!?古いコンデジとスマホのカメラ性能をガチで比較する(Xperia Z1f VS Finepix F50fd編)



さて、前回は子供のおもちゃ用という名目で色々、往年の名機と呼ばれるコンデジを入手してみたのだけど、今回は、手持ちのスマホを使って、「往年の名機とスマホカメラ」のそのカメラ性能についてガチで検証してみたいと思う。

使用するのはF31fdの陰に隠れた隠れ名機と名高い「FinePix F50fd(2007年発売)」「Xperia Z1f(2013年)」を使用する。

もう少し、新しいスマホを使用した方が良いとは思うけど、それでも、この6年間でスマホカメラが6年前のコンデジに追いついたかという貴重な比較になるかと思う(笑)





まず手始めに解像度チャートから、と思ったのだが、ざっと撮影してみた印象としては、なかなか良い観点から始めたなあ、と自画自賛できることになりそうだ。

最近はiPhone6とか7のカメラなんかがかなり高評価を得ているようなので、可能ならば最新のiPhoneを入手し、比較するのが望ましいだろうけど、残念ながら手元には無い。

ならばと思い、スペックは立派な手元にあるXperia Z1fを使って比較してみよう、という事にしたのだが、どうも頭の片隅で「スマホのカメラは画像エンジンが死ぬほどがんばって良い画に仕上げている」という印象があって、それならば、

・iPhoneだろうが、Xperiaだろうが、センサーやレンズは同じような水準のもの。つまり画作りではなく、解像度という観点ならその傾向は変わらないはず。

という仮定はそこまではずれないはずだ。


結局は、カメラ性能とは「レンズ性能+センサー性能+画像処理性能」なわけであるので、解像度はレンズ性能に最も依存するはずであるので、これはあながち間違えていない想定だと思う。


我ながら、こういう観点が最初から熟考して導き出すのではなく、「直感の支配するエリア」で思いつけるのはすばらしい(笑)




解像度チャートによる比較


なんとなく我が家が写りこんでいるのはさておき(笑)、まずは結果から見てみよう。



■Xperia Z1f プレミアムオート(800万画素)での撮影結果

こちらはXperiaに搭載されている、プレミアムオートという800万画素に抑えながら、「余った画素を手ぶれ補正やノイズリダクション」に使って高画質化してくれる機能を使用して撮影した撮影結果となっている。



中央付近を拡大

周辺部を拡大



■Xperia Z1f マニュアル(2070万画素、ISO100、F2)での撮影結果

こちらは上記のオート機能をオフとして、ISO100、F2.0に固定して撮影した結果。当然、三脚を利用している。


中央付近を拡大

周辺部を拡大



■FinePix F50fd(1200万画素、ISO100、F2.8)

さて、こちらはコンデジの代表として選択した、Finepix F50fdで撮影した結果。なお、このコンデジで設定可能な最も明るいF値(F2.8)と、低感度(ISO100)で撮影している。


中央付近を拡大

中心部を拡大
  

■FinePix F50fd(1200万画素、ISO100、F5.6)

こちらは、コンデジに搭載されている絞り機能でF値を絞る事により、画質が改善するかを検証するため、FinePix側のF値をF5.6まで絞って撮影した結果となっている。


中央付近を拡大

周辺部を拡大



解像度チャートを使用した撮影結果比較の考察


以上、古いCCDのカメラは高感度に弱く、このあたりはもしかするとセンサーの新しいスマホにかなわないだろうとも予想されるため、カメラがはじき出せる最高性能として、ISO100に固定できるものはISO100で比較する事とした。


まず、解像度の観点から。

結果からわかることとして、間違いなく言えるのは、レンズの周辺の解像度に関しては、コンデジの圧勝と言って良いんじゃないだろうか。

以下にそれぞれの撮影結果を並べて比較してみた結果を掲載しよう。(クリックで拡大)



パッと見では判断しにくいかもしれないが、周辺の切り抜き画像の真ん中あたりに黒枠の四角があり、そこから縦横に細い線が何本か伸びているが、Xperia Z1fではこの線の間隔があいまいになっているが、F50fdは拡大して見てみると、Xperiaの結果よりははっきりしている事がわかる。

そして、中央付近に関しては、どれもそこまで差が無いようにも思える。

こちらも以下に掲載する。(クリックで拡大)



ただ、一番すっきり見えるのはF50fdのF2.8の写真のように感じる。好みの問題なのかもしれないが、こういった感覚は結構大事だとおもう。

あお、Xperiaの方が「クッキリしている印象」を受けると思うかもしれないが、これはF50fdの結果と比較するとわかると思うけど、特に中心の同周円部分で、右上のXperiaでのマニュアル撮影結果に比べて、F50fdの左下の撮影結果の方がディテールがしっかり残っていることがわかるだろうか。

これは、Xperiaではシャープネスをかけすぎているせいで、一見クッキリ見えるのだけど、実際はディテールがつぶれてしまっている事がよくわかるだろう。これは実に、最近のスマホらしい特徴だと思う。


なお、通常レンズは絞れば解像度が上がるのが定説なわけで、F50fdのF5.6の方が解像度が高いと予想して、比較対象に加えたわけであるが、これはそこまで良い結果が得られなかった

ひとつには、逆に暗くなったことでシャッタースピードが遅くなり、センサーの露光時間が長くなったことで、同一ISOでもノイズの影響を受けやすくなっているのかもしれない。

この辺りは、昼間に再度試してみるなどしないとだめであろう。


そして、次にノイズの観点で言えば、Xperia Z1fのマニュアル撮影(2070万画素)の結果を見てもらうとわかるが、総じて、同一のISO100で比較している(プレミアムオート以外)にもかかわらず、Xperiaの方がノイズが多いように感じる。

これは、おそらく、1/2.3型CMOSというスマホとしては大きなセンサーをXperia Z1fは積んでいるわけではあるが、さすがに2070万画素という高画素数の受け皿としてはイメージセンサーサイズが小さすぎ、このノイズを生み出しているのでは無いかと思う。


その点、F50fdは古い設計とは言え、1/1.6型CCDで1200万画素を実現しているわけで、Xperiaに比べれば十分に余裕があると言える。

今回の比較検証の結果だけど、F50fdは古いコンデジではあるのだけど、最近のスマホと比較しても、最低限でも匹敵、そして解像度の観点ではまだまだスマホのカメラに負けていないという事を断言しても良い結果が得られたんじゃないかと思う。

うーん。この結果は面白いなあ(笑)


比較結果から得られる考察


色々、こう比較してみると、スマホのカメラの撮影結果は、物理的な制約からこうなんだろうと想像できる特性がそのまま表れているように思う。

その想像できる特性とは、以下のような点である。


・高画素化を小さなセンサーで実現しようとしているため、1画素辺りが受けられる光量が不足しており、ノイズが発生しやすいだろうという点。
・小さなレンズで明るく、広角によった画角を実現しないといけないため、レンズの周辺に行くにつれて歪んで解像度が落ちるんではないかという点。
・上記のようなレンズやセンサーの物理的制約を回避するため、画像処理エンジンががんばっているが、歪みやホワイトバランスは改善できても、解像度については、改善できないだろうという点。


さて、当初の目的であった、最近のスマホと古いコンデジの画質比較、という観点で言えば、少なくとも解像度に関しては、2007年発売のコンデジ(ただし名機に限る)にも達していないと僕は結論している。ただし、当然これは、Xperia Z1fとFinepix F50fdという2機種のみの比較ではあるので、全てに適用できる結論ではないのかもしれない。


それでも、機械としてのカメラ性能に関しては、やはりスマホのようにスペースに余裕の無い箇所に配置せねばならないという物理的制約が大きくのしかかり、これは今後も解消しないのだろうと予測ができる。

これはカメラを趣味とする(してしまった)ものにとっては喜ばしい結論が実証できた点でとても意味がある。


なお、この実験を始めたのはいいが、途中で目的が何だったのか、こんな事に意味があるのかとふと考えてしまっていた僕にとっても、有意義な結論が得られたのは、本当に良かったと思う(笑)。


次回、第2回があるとすれば、吐き出す写真、という観点で、この物理的制約をどう今のスマホが乗り越えているのか、そして、本当に乗り越えられているのか、になるであろう。

ただし、今回の検証結果より、これ以降の話は「画像エンジンがいかに優秀か」の話になるのは自明であり、レンズやセンサーはどうしても追いつかないことがわかってしまった以上、多少オモロさが薄くなってしまったことは否めない。

光学性能はここ100年でもそこまで劇的に改善していない状況だしね。


唯一、絶賛されているiPhoneのカメラ性能を検証により確かめる事のみが、今そこに残っているオモロさだと言える。
そして、その結果がどちらに転んでもこれは面白い結果になると予感している。


ガジェットとしてのスマホカメラの機能やアプリ活用などは、その辺りに情報があふれているので、他のブログにまかせてしまう事にすると、この件に関してはこれくらいで、手元に残った6台のデジカメで子供達と遊ぶことに時間を使うことにした方がよっぽど有意義だ。

うちに転がっているカメラは6台どころじゃないのだけど(笑)。それはまた、おいおい。

2017年に再度、この辺り比較してみるかなあ。

F50fd(2007年発売)との比較になると、「この10年の進化」の考察になって、めちゃめちゃオモロいよね(笑)
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