HiFime 9018 USB DAC レビュー②(音質編)

こちらのエントリは製品自体も販売終了となり、既に情報が古くなっているので、現時点でのオススメであるこちらのDAC情報をどうぞ!


なんだ、お前は1ヶ月も経たないと続きが書けないのかと怒られそうなので、そろそろ「その音」について書いてみたい。

HiFime 9018 Asynchronous High resolution USB DAC

ちなみに、前のほとんど音質のレビューをしていない前回の記事を見て、購入した方がどうやらいたようで、大変申し訳ない気持ちになった事もある(笑)

ずいぶん前のレビューから間が空いてしまった、、、

<試聴構成>
スマートフォン : Nexus5
USB-DAC : HiFime 9018 DAC
イヤホン : MDR-XB90EX
プレーヤー : Neutron

比較対象は古いiPhone4Sか何かで試そうと思ったが、シンプルにNexus5(個人的に残念な音)のイヤホンジャック直との違いで比較したいと思う。

比較する曲は、あまり多くてもわかりにくいので、以下の5曲ぐらいでその音質の違いについて語ってみたい。うーむ。やばい。1時間くらいかかりそう(笑)

枠は適当。

癒し枠 : 矢野顕子/Jin Jin
普通枠 : Perfume/ワンルームディスコ
ピコピコ枠 : Gorillaz/On Melancholy Hill
デス枠 : SOILWORK/Weapon Of Vanity
ヘビメタ枠 : Slipknot/Goodbye



癒し枠 : 矢野顕子/Jin Jin

この曲は琉球的哀歌というアルバムに入っている様々な”音”が入り混じったとてもメロディの美しい曲である。

そして、比較の結果だけど、最初からあまりのその音質の差にしょんべんをちびりそう(下品)。

まず感じるのはその、音の広がりの広さだ。音の空間が広く、Nexus5直が耳に音がまとわりつくように聴こえるのに対し、HiFime 9018 DAC経由で聴いた場合、耳の少し周囲までに音の出所が広がる。これはおそらく、「よりリアルな音になったため、自然な音像を描く」ようになったという事だと思う。

次に感じるのが、その音一つ一つの分離の良さだ。Nexus5は元々、薄く軽い音の傾向があるが、それにもかかわらず、音が団子になっている事がわかる。先に書いたように音像がきれいに広がっている事も、この音の分離に一役買っているのかもしれない。

ひとつ意外だった事として、その低音の沈みこみがある。DACを経由する事で、低域が強まり、曲のテンポを良くし、音質にまろやかな艶を出しているのを感じる。

うん、これはすごい。間違いなく、少なくとも、この曲なら万人がわかる差があると言える。正直、Nexus5直でスピーカー経由でしか聴いたことのないこの曲を先に聴いた時には、「あれ?この曲、こんなにしょうもない曲だっけ?」と本気で思った。

一曲目からこんな調子でいいんだろうか(笑)いやー、いいDACだ。

うーん。もうみんな買っちゃえ(笑)
※ただしNexus5所持者に限る


普通枠 : Perfume/ワンルームディスコ

次は”普通に”皆さんが聴いているだろう音楽の中からPerfumeのアップテンポな楽曲を。

その比較結果だけど、先ほどの曲に比べれば、その差は少しわかりにくいかも。

ただ、全体を通して、その差に関する感想は同じような感じだ。DACを経由させた方が明らかにクリアで押し出し感のある音である。

ひとつには低域のキレが良いため、曲のノリみたいなものはとても心地よく感じる。あと、これも音の分離が良いせいだろう、Perfumeの3人のボーカルの声が良く聴こえる。ああ、ここは、ハモってたんだとか、小さな声のセリフとか、集中せずとも聴こえてくる。

いや、これいいですよ。AKB48の全員の声を聴き分けたい方は是非!

これこそどこかで書いた水道水とミネラルウォーターの違いだ。その違いは小さいようでとても大きい。いつまでも聴き続けたい。そんな音だと言い切っていいと思う。

ピコピコ枠 : Gorillaz/On Melancholy Hill

BeckのNeuseaと迷ったけど、大好きなGorillazのメランコリーヒルを。

これはNexus5直も結構聴けますよ。Nexus5の乾いた感じが良いのか?ただ、耳の周辺で音が鳴っている感じはやっぱりいただけない。あと、直はこちらだけ聴いているだけでも歪みっぽい感じがする。

とか思いながら、DAC経由に変更。

うん、最初の「アー」とか途中の「ウー」とか小さく入っている音の輪郭がやっぱり違うなあ。他の音との分離がきれいというのは全てに通して間違いがない。

そして、やはり低域のキレ。先にアンプの過渡応答の話を書いたけど、まさに同様の話で、波形がきれいだからこそ、低域もキレるし、その結果、低域のリズム隊がその真価を発揮できている。

あと、この曲では様々な楽器がバックエンドで割と小さ目の音で演奏されているのだけど、その一つ一つがとても美しい。

そして、最後の鐘の音の余韻まできれい。ああ、買って良かった。

うーん。予想してたけど、こんなにほめて良いのか?いや、レビューとしてね(笑)

あ、Nexus5がダメダメというのもある。でも、昔使っていたiPhoneはどちらかというと眠い音になりがちだったので、やっぱりそれと比較しても良いような。Neutronも良いソフトだけど。

デス枠 : SOILWORK/Weapon Of Vanity

激しいゴリゴリの音も聴かねばというところで。マッチョなデスメタルのSOILWORKさんの楽曲からWeapon Of Vanityを選曲。

こちらも耳にまとわりついた音がやはり多少広く定位する。デスボイスは地の底から湧き上がるべきで、耳元でささやかれるものではない事が良くわかる。

そして、ゴリゴリの低音だからこその低域のキレのかっこよさ。ロック系の改善は、この低域のキレが全て良い方向に働きそうだ。

ただ、音の分離については、ちょっと選曲を間違ったのかもしれないが、この曲ではそこまで感じなかった。まあ、元の録音が良くない部分は、そのまま出てしまうので、そのせいかもしれない。

ヘビメタ枠 : Slipknot/Goodbye

最後はメロディのきれいなバラードを、と思ったけど、最近Slipknotを再評価しているところなので、とてもボーカルのうまさが光るこの曲を選曲してみた。ヘビメタなのかなんなのかというところだけど、Wikipediaだとラップメタルというカテゴリも書いてあって、面倒なのでヘビメタ枠に。見た目はあんなだけど、とてもボーカルのうまさが光る良い楽曲です。

というか、だんだん耳が良くなってきてNexus5直でも色々良く聴こえるようになってきた。やばい(笑)

DACよりも恐るべきは人の脳という事で(笑)

ああ、それでも。違うなあ。しょっぱなのボーカルの艶から違う。多少エコー的なものがかかっているボーカルの声のエコーの響きがとてもきれいだ。

そして、耳元で歌っていたボーカルは、DACを介す事で、きちんとマイクスタンドの前に立つ。そんなイメージを持てるほど音像が広がっている。脳が何かおかしくなったか?(笑)

この曲は音像が広いなあ。それを改めて感じた。

あんまりオーディオ的表現は得意じゃないけど、平面の絵と氷の彫像ぐらいの差を感じるくらい、音の輪郭と音像の広さを感じるとでも言えば良いか。

まとめっ!

もうまとめる必要もない。語るべき言葉もそこにはない。

ただ買えっ!ドルが150円を突破する前に!(笑)

特にNexus5や、その他、「音があんまり良くない」と言われているスマートフォンを使っている人で、その電池の馬鹿食いを許容できる人には是非お勧めしたい。

音がクリアだったり、分離が良かったりするところは当然予想していたのだが、その音像の広さと低域の押し出し感には、正直驚かされた。

これがHiFimeの音作りなんだろうか?正直、アンプチップの傾向なのか、はたまたDACなのか、回路設計なのかは判断できない。

ただ、音作りが多少派手な可能性はあるが、それでも、その奥に見える”素性の良さ”はホンモノだと感じた。過渡応答の良さ(波形が歪んでいない)事が生み出す、音像の広さ、音の分離・輪郭の明確さ、低域のキレは、少なくとも僕は素直に良いと思った。

あまり手放しでほめてると、「おい、話が違うじゃないか!」という事になりそうなので、一応言っておくと、決して、「おとなしい音」では無いので、たとえばヨーロピアンなスピーカーの音傾向のような「高域・低域が落ち着いていて、全体のバランス重視」を好む人はもしかしたらiPhoneのような音作りの方を好むかもしれない。

それでも、今、何かスマートフォンの音質に不満を持っている人なら、一聴の価値あり、とだけは断言できると思う。

興味のある方は是非購入して、あのチープな包装から楽しんでほしい(笑)

(補足)
なお、本当に購入する場合は、必ずSmartPhoneの対応を確認して欲しい。確認方法は自分が使っている機種でUSB-DACの動作実績があるかどうかという観点で調査してみて欲しい。USB-DACに元から対応している、新し目のXperiaやGalaxy、もしくはOSレベルで対応ができているAndroid5.0以上の機種であればおそらく問題ないとは思う。

DSDも再生できるし、買いだ買いだ!(笑)

あ、これも書いとこう。

※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません。

ふう。(笑)
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