知ってる人は役に立つ!?音質改善小話① ~オーディオ小ネタ集~

さあ、久々のオーディオ小ネタ集。あんまり長々と書かないけど、誰かの役にはきっと立つそんなショートネタについて書いてみたいと思う。

・オーディオシステムには暖気運転が必要!?
・細いスピーカーケーブルの方が低音が出る!?
・究極の音質改善は4000円以下で始められる!?

の三本で今回は行きたいと思います!




オーディオシステムには暖気運転が必要!?

オーディオみたいなものに手を出して早数年経つが、そこでオーディオ好きの人間と話していていつも「理由は不明だが事実」として共通認識があったのが、「オーディオシステムの電源を入れ、音楽を1時間くらい聴いていると、明らかに電源投入時に比べて、1時間経過後の方が音が良い」というものだ。

当然、オーディオは耳から入った音を脳で処理するわけで、その1時間における「聴く人間自身のコンディションが変わる」可能性も否定できないのだけど、それもこれも含めて、音が良くなったと感じるのは事実なので、そこから僕は「オーディオには暖気運転が必要」と認識して、音楽を聴く際はなるべく早めに電源を入れるようにしたりしていた。

この「音が良くなる」という現象、長らく理由が不明で、「スピーカーコーンエッジが柔らかくなる」や「アンプICの特性が時間経過とともに落ち着く」など、自分なりには幾つか原因を考えていたのだけど、あまりピンとは来ていない状況もあり、「オカルトっぽいのであまり大っぴらには言わない」ようにしていた(明らかにマニア以外は怪訝な顔するんだもん笑)のだけど、最近信ぴょう性のある情報を入手したのでそちらを今回紹介したい。



その情報の入手元がこの本。

こちらの本、オーディオデザインというオーディオメーカーの代表が書いた、大変に通常のオーディオ理論からするとネガティブなメッセージも多く、取り扱い注意の本なのだけど、大変に有用な本なので、興味がある方(かつ、既存のオーディオ理論が論破されるのが嫌でない方)は一度手に取っても良いかと。

さて、その該当の内容なのだけど、それは、「三端子レギュレータは数十分間安定せず、おかしな挙動を示す」という話で、それがアンプのウォームアップに関係しているんじゃないかというようにこの著者は考えているという事だ。

この「三端子レギュレータ」は、アンプ基板上に配置される、電源電圧から各ICで必要な任意の電圧を得るための電圧変換を行うパーツで、これがノイズ源(スイッチングノイズ)になるという弊害もあるのだけど、抵抗による電源分圧より、ずっと安定した電源供給が得られるという事で、ほぼすべてのアンプで採用されていると予想される。

この素子の挙動が数十分で安定するという事であれば、特にアンプ動作で重要とされる電源部の話なので、当然音質に多大な影響があると考えられ、「アンプにはウォームアップが必要」という話はこれで確かに筋が通る。アンプだけでなく、DACにもこの素子は採用されているので、同様の話があるものと思われる。

さて、これが本当だとすると、皆さんエージングがどうだとか、視聴比較のために、アンプを頻繁に交換してみたりなど、必死に視聴による比較検証を行っていると思うけど、ウォームアップ時間を設けない検証は実は意味がなく、「ケーブル交換で音が良くなった」なんて思っているのが、実は「ケーブルを交換している間に十分時間が経過し、この素子が安定しただけ」なんて可能性も出てくるので、このウォームアップには最大限注意を払う必要があるだろう。

少なくとも、エージングなどの長期の話を気にして、この短期の時間経過を気にしないなんて事は片手落ち甚だしい、なんて事になるのは間違いないだろう。

なお、僕も、この三端子レギュレータの話を知ったのはごく最近なのだけど、直感的に「アンプのウォームアップの必要性」を認識していて、音楽を聴く際は、十分な時間をおいて、事前に電源投入を済ますようにしてきたという経緯もあり、「オーディオシステムには暖気運転が必要」というのはオカルトを超えて、真実なのだと認識している。

細いスピーカーケーブルの方が低音が出る!?

正直、感覚的な事も含めて「スピーカーケーブルで音が良くなる」は信用していない。微小な差があるとして、「良くなる」何てフレーズはあり得ないし(単に変わるのみ)、自身のコンディションや、他の要素の影響の方が十分大きいなら、「そんなもんに時間をかけている方がもったいない」というのがボクの基本姿勢である。

特にケーブルを重視している人達は「アンプを開けて中身を見た事があるんだろうか」と本気で思っていて、内部は悲しいくらいフツーの単なる銅線と鉛はんだで構成されているわけで、回路長からすると十分こちらの方が支配的であろう。

いや、本当に真摯にオーディオに取り組んでいる人達に文句を言いたいんわけじゃなくて、売る側の人間に、「もう、人を騙して金儲けするのはやめようよ」という気持ちが大きい。

それでも、「微小なケーブルの特性の違いで音に違いが出る」という事については、多少はあると思っていて、特に「数値化できる程の抵抗値の違い」については、影響が出る可能性がある。

特に、Yoshii9などでは細く柔らかい線が推奨されていて、標準でも以下のオヤイデ電気で購入できるライカル線がスピーカーケーブルとして採用されており、僕もこのケーブルを使用している。

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いわゆるライカル線

さて、ずいぶん古い記事ではあるけど、この辺り、実際に「細いスピーカーケーブル」の実測抵抗を計測した記事として以下のような記事がある。

スピーカーケーブルの考察(新大陸への誘い様より引用)

このライカル線、このサイトの実測だと5mで0.42Ωの抵抗があり、この抵抗値は、「スピーカーユニットのインピーダンスが4~8Ω」だと考えると、十分に大きいと思わないだろうか。

で、この抵抗値が上がるとどういう現象が起こるか。


前回、「電流帰還アンプ」の話を書いた際に、スピーカーユニットは各周波数でインピーダンスが異なる話に触れたと思うけど、オームの法則E=RIのRがケーブルの抵抗値分、各周波数で増加する事で、微小ながら「各周波数におけるI(電流)がよりフラットになる」事になり、これは、電流帰還型の動作に近づくという事を意味している。

つまり、「太いケーブルを使った方が低音が出そうなイメージがある」のに対し、実際は、「細いケーブルの方が電流帰還型駆動に近づくために低音が出る」というのは十分に考えられるのである。

まあ、僕は取り回しのしやすさで、ライカル線を採用しているわけなのだけど、こういう考え方もあるよ、という事で。知っておいても良い情報かと思う。

究極の音質改善は4000円以下で得られる!?

もう、これは基本の話で。色々真剣に聴き比べる前に耳掃除しようよってだけね(笑)



これ、欲しいなあ。んでも、機器以前に自分のコンディションが重要ってのは忘れちゃいけない観点でもあるしね。

さて、今回小ネタを三本紹介したけど、みなさんのお役に立っただろうか?こういうの、いっぱいあるので、また機会があったら書きます!

次回を乞うご期待!

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