aptX-LL接続可能!? 有線イヤホン&ヘッドホンを激安でBluetooth化する①(HEM-BTRATX使用感レビュー)

※iPhoneでの使用感も追記しました。



※本エントリはHEM-BTRATXが激安で購入できたタイミングで書いた記事ですが、有線イヤホンとかヘッドホンを同様のレシーバを用いて無線化する際には何かと役に立つ内容を含むかと思います(代わりに使えそうな製品情報も含む)ので、そういった無線化に興味のある方は是非読んでみてください。

さて、何故かaptX-LL対応のレシーバの価格破壊が進んでいる。

以前紹介した、TSdrenaのHEM-BTRATXなんて、気づいたら1980円(2018年9月現在は残念ながら販売終了)で販売されている。他にもオススメしたいものはいっぱいあって、以下でトランスミッター兼レシーバを紹介しているけど、2000-3000円ちょいくらいで購入できるものがいっぱい存在している。

2000円以下で他で探してみても、Augustというメーカーが出しているMR230Bなんてのも受信機能のみとは言え、1990円(2018/9/13現在)なんて価格で販売されていたりする。


いったい、この価格破壊がどこから来ているのかわからないけど、とにかく、「時は来た。汝、今すぐに全ての機器のaptX-LL化を始めなさい」と神様からの啓示を受けているようにも思える(笑)





さて、そういうわけで、また、家に届いた(笑)




今回は、前回紹介した「Creative BT-W2」を送信機として使用して、HEM-BTRATXの受信機としての使用感(※)と、aptX-LL(aptX Low Latency)自体の使用感&使い勝手について記載してみたいと思う。

※なお、送信機としての性能はAmazonのレビューでもメタメタなので期待しない方が良さそう(笑)


↓BT-W2について書いた以下の記事も是非参照ください!






同梱物など




まず驚いたのが箱のシンプルさ(笑)

そして、中に入っているものはこんな感じ。


内容物は以下の通り。なお、500円玉は比較用に置いただけで、同梱されてません(笑)

<内容物>製品本体

  • MicroUSBケーブル (充電用)
  • 3.5mmオーディオケーブル
  • 3.5mm→RCAオーディオケーブル
  • 3.5mm→3.5mmプラグ
  • アタッチメントパッド
  • 取扱説明書兼保証書(日本語)


アタッチメントパッドは、本体とマグネットでくっつくようになっていて、赤い部分が両面テープなので、どこかに貼り付けておきたい場合に使用する模様。

両方が3.5㎜オスになっているプラグは直接接続用。



ちなみにこちらが背面。背面はクリップ形状となっていて、このクリップを活用する事でシャツの胸ポケットなどに固定する事が可能となっている。

Amazon等の製品写真では、表面がテカテカしていて、いったいどういう感じなのかと思っていたのだけど、プラスチックのケースにフィルム状のロゴと電源マークを印刷したシールが貼り付けられている感じなので、高級感はまったく無い



まあ、購入価格2000円の製品に何を期待しているんだという話だけど。あと、そろそろ500円玉はうるさいね(笑)


重量は実測で19グラムという事なので、500円玉3個分弱(500円玉は1個7グラム)の重量という事になる。


つまりは電子機器としてはめちゃめちゃ軽い


これで、RX(レシーバ/受信機)機能だけでなく、TX(トランスミッター/送信機)機能と、バッテリーまで実装しているのだから、素直に驚きだと言って良いだろう。


そして対応コーデックは、「SBC, AAC, MP3, aptX Low Latency, aptX」と汎用性の高い無印aptXiPhoneで採用されているAAC、そしてボクがずっとオススメしているマルチメディアに強いaptX Low Latency、と何とも幅広い対応となっている。


いや、もうね、「激安の殿堂」の異名はこいつにあげて良いんじゃないかと(笑)



イヤホン使用時の使い勝手、音質について


さて、それでは次に、トランスミッターとしてBT-W2(PC接続)を用いた場合の使用感などについて、確認していくことにしよう。


まずはイヤホンとして、愛用している、SonyのMDR-XB90EXを使用してその使用感などを確かめてみることにする。



・HEM-BTRATXと接続した際の音量について


まず、音量についてだけど、このMDR-XB90EXは、インピーダンスが16Ωということだけど、フルボリューム時にはかなりの大音量となり、PC側の音量をかなり絞る必要があった。

この程度の出力があれば、もう少しインピーダンスの高いイヤホンでも問題なく駆動できると考えられるので、モバイル用途として市販されている一般的なイヤホンであれば十分に音量は確保できるものと思われる。


・ホワイトノイズについて


Bluetoothオーディオでは「サー」と言ったホワイトノイズと呼ばれるノイズについてよく話題になるが、上記の構成では、ホワイトノイズは気にならないレベルに抑えられていると感じた。まあ、こればっかりは人によって感じ方が違うと思うので、断言はしない方が良いポイントかもしれないが、まあ神経質にならなければ全く問題ないレベルと言ってもよいかもしれない。


・音質について


次に、音質について言及してみるけど、さすがに、この価格帯だと、DACもBluetoothチップ内蔵の物を使用しているだろうし、音質面での配慮も最低限となっていると考えられるので、そこまで期待する物では無いと思ってはいたけど、実際に聴いてみた感想としてはそこそこには健闘していると言っていいんじゃないかと思う。

出力される音の傾向としては、解像度こそ多少低い印象があるけど、イヤホンジャック直の場合とそこまで差が無いように感じた。

正直、音質にそこまでこだわりが無い人や、通勤や通学時のBGM用としては全くもって十分で、お気に入りのイヤホンを使用できる分、Bluetoothイヤホンとして市販されている物より、結果として満足感が得られるんじゃないかとも思う。


・音声の遅延について


最後に、もう一つの重要ポイントである音声遅延についてだけど、前回のBT-W2のレビューでも書いたけど、これは全くもって問題ないレベルを達成していると言って良いと思う。


入出力をタイムラインで比較する手法を今のところ確立できていないので、これは感覚的な評価になってしまうけど、aptX-LLの謳う「遅延40ms以下」は伊達では無く、これであれば、Hulu/Netflix/Amazonプライムなどでの映画/テレビ視聴、およびYoutubeでの動画視聴(※)でも違和感を感じないはずだ。

※なおYoutubeについては、アップロードされた時点でリップシンクがずれている物も多く、あまり状況は変わらないという問題もあるのだけど。


ここまで遅延が改善されているのであれば、長年諦めていた「リアスピーカーのリモート化」なんて物にも俄然、挑戦したくなる程だ。

とにかく、このaptX-LLの低遅延は過去のワイヤレスイヤホン体験の中でも、かなりの技術革新を感じたので、是非、皆さん(特にSBCの遅延に過去にガッカリした人笑)にも体験してみて欲しいポイントとなっている。


iPhoneとの直接接続を色々試す




・音質に関して


なお、幾つか送信機側を変えて色々試してみたのだけど、iPhoneと直接Bluetooth接続(おそらくAAC接続)した方が、BT-W2とaptX-LL接続した場合より、高音質なように聴こえたりした。

この点、送信機に何を用いるかと、送信側の音量設定、および受信側の音量設定とパターンによって色々と聴こえ方が違ってくると思うので、もう少し検証が必要なポイントかと思う。

※過去、送信側の出力レベルによって、受信側で音声のクリップが発生し、音質が劣化する状況となったことがあるのだけど、BT-W2との接続時にはこういった現象が発生している可能性があると感じている。


まあ、ボクの勝手な予想だけど、aptX-LLのようにデータを細切れで順次受け取ってはアナログ変換していく方式より、AACのようにある程度バッファリングしながら再生する方式の方が、途切れやノイズが発生しにくく、高音質が得られやすい、なんて事があるんじゃないかと思ったりしている。

まあ、本当にかなり勝手な予想に過ぎないんだけどね(笑)

aptXとAAC、およびaptX-LLのどれがどういう音なのかはいずれかはちゃんと聴き込んでジャッジしてみたいところだ。


・iPhone側での音量調節について


あと、iPhoneと直接接続すればHEM-BTRATXのような「受信機側にボリュームが無い機器でも問題なくiPhone側で音量調節ができる」事を確認している。

この点は、前回の記事中に記載した通り、iPhone+BT-W2から送信した場合は音量調節ができなかったので、直接接続時にはこの問題が発生しないというのは素直に喜ばしい状況だと思う。


なお、音量調節に絡む話題として、もう一点、書いてみるけど、iPhone のボリュームは16段階の調整ができるのだけど、自宅の静かな環境で聴いている場合は、この16Ωのイヤホンだとだいたい目盛り3~4程度の音量で十分だったので一般的にモバイルで用いるようなイヤホンであれば問題ないレベルの出力は得られているように思う。


・音声の遅延について


iPhoneとの接続はAACコーデックによる接続になるので、やはり音声の遅延(※)は多少は気になるレベルでは発生している模様。まあ、この辺りは個人の感じ方になるかとは思うけど。まあ、ずっと見ていると脳内補完されてくるような気もするけどね(笑)

※aptXで70ms(±10ms)という値に対し、AAC VBR(256kbps)で800ms(±200ms)、SBCで220ms(±50ms)、AAC(128kbps)で120ms(±30ms)の遅延。aptX-LLは40ms未満。


・iPhoneとHEM-BTRATXの接続性に関する話題

もう一点、iPhoneとの接続における安定性について書いておきたいと思う。

Bluetooth接続の場合、特にノイズの多いような場所(通勤電車など)で、音声が途切れたりノイズが混入したりする場合もあり、ある程度はこういったノイズを許容する必要があると思っている。

この点、iPhoneとの接続性については、自宅のノイズの少ない静かな環境では実に安定していて、ノイズが混入したり、接続が切れたりする事もほとんど無いように感じた。送信側との相性については、多少気にした方が良いポイントではあると思うけど、この点でも問題なし、と言って良いだろう。

ちょっと冒頭で音質面の話をゴニョゴニョしたけど、通勤時にこの「iPhone+HEM-BTRATX(直接接続)」を試してみてたのだけど、BT-W2を使用するよりこちらの直接接続の方がより安定して音楽が再生できてるのも事実だったりする。



以上、ちょっとaptX-LLの優位性を今回書こうとしていたのに、iPhoneとの接続もかなり良いよ、となって、フォーカスのボケた記事で申し訳ないけど(笑)、HEM-BTRATXをレシーバとしてiPhoneで使用するプランも結構オススメできるモノになってると正直思ってたりします。


(※2017/1/15追記)

iPhoneでの直接接続時にYoutubeなどでMVなどの動画を再生すると、音声の最初1~2秒程度が音が出ない事象(おそらくIOSバージョンに依存)に遭遇しました。詳細は第2回記事で確認ください。


ノイズフロアの問題、ボリューム付き延長ケーブルの活用について


次にBluetoothオーディオを始める上で理解しておいた方が良い、ホワイトノイズの軽減方法についてその理論と実践を書いてみたい。

上記では16Ωのイヤホンで色々試したのだけど、受信側のノイズフロアの観点(※)からすると、出力側の音量はなるべく上げておきたく、もう少しインピーダンスの高いイヤホン・ヘッドフォンの方が相性が良いと言って良いかと思う。


さて、このノイズフロアってどんなものかと言うと、簡単に言えば、「(受信側が)出力信号に対して持っている一定量のノイズ」という話になるのだけど、特にBluetoothオーディオでは理解しておく必要がある概念なので、例を使って説明してみることにする。


まず、送信側(BT-W2)の音量が100(MAX)、受信側(HEM-BTRATX)の音量も100(MAX)の場合に最大ボリュームとなるとする。

この際、受信側(HEM-BTRATX)で機器内で発生する固有のノイズがあり、最大音量100に対して、このノイズの音量が10あるとした場合、このノイズをノイズフロアと呼ぶ。


さて、この状態で、もし、送信側(BT-W2)で音量を50に絞ったらどうなるだろうか。受信側HEM-BTRATX)では50にまで絞られた音量で信号が届けられるのだけど、この場合でも受信側HEM-BTRATX)のノイズの音量は10のままだ。

この結果、どうなるか?

相対的にノイズの音量が大きくなったように感じる事になるだろう。


つまりこれがノイズフロアの問題だ。


もし、送信側ではボリュームを絞らず、受信側で「ノイズごと音量を下げる」ようにすれば、どうなるか?

この場合、「信号:100/ノイズ:10」→「信号:50/ノイズ:5」のように、音量が半分になればノイズ自体の音量も半分になるわけで、理想的には受信側のみでボリューム調整をした方が望ましいことが理解できるだろう。

以上の理由でインピーダンスが多少大きめのイヤホンを用いれば、つまり「インピーダンスが大きい=音量が絞られる」という事になるので、送信側の音量を大きくでき、ホワイトノイズの問題が軽減できる、というわけとなる。


Bluetoothオーディオでは特にホワイトノイズが問題になりやすいので、少なくとも、この辺りの知識は持っていた方が良いかと思う。


よく、Bluetoothレシーバを購入したものの、ホワイトノイズで困っている人を見かけるけど、十中八九、低インピーダンスのイヤホンを使っていると思われ、このノイズフロアの問題に遭遇しているのだと思われるので、HEM-BTRATXを用いる場合は特に、受信側でのボリューム調整ができないので、最低限16Ωの物は避けて、32Ω辺りの物を使用した方が良い結果になると個人的には思う。


あと、低インピーダンスのイヤホン・ヘッドホンをどうしても使いたいという場合は、アッテネータか、ボリューム付きの延長ケーブルを導入する事で、音量調整&ホワイトノイズ対策を行うという方法もある事をお伝えしておく。





こういう物を用いれば、受信側(HEM-BTRATX)でもある程度のボリューム調整が可能となるので、このノイズフロアの問題を解消する事ができる。


ボクも、上記のボリューム付き延長コードを所持していて、Bluetoothオーディオでホワイトノイズの問題に遭遇した場合は、間にこういったケーブルを挟んで解消させているので、「慌てず騒がず」こういったTIPSを速やかに適用するのが精神衛生上は良いかと思う。


上記の通り、Bluetoothオーディオでは常にこのノイズフロアを意識して、いかにノイズフロアのレベルを下げるかが成功へのカギとなる事を、覚えておいて損は無いかと思う。


高音質のT50RPmk3nをBluetoothヘッドホン化するっ!!は次回


うーん、ここまで使えるレベルだと、もうちょっと色々試したい気持ちになってくるなあ。


というわけで、愛用のT50RPmk3nを使って、さらに高音質&機動力の確保を目的とした「aptX-LL対応Bluetoothヘッドホン」化を試してみる事にしよう。



、、、と思ったのだけど、ここからも随分長くなりそうなのと、ちょっと更新にはもう少し時間を要する見込みなので、続きは次回とさせてください。

次回、

・T50RPmk3nそのものの素性
・インピーダンス50ΩのT50RPmk3nでの使用感(特に音量が取れるのか)
・T50RPmk3nをHEM-BTRATXでBluetoothヘッドホン化するTIPS
・音質評価

あたりを書いてみたいと思いますので、もうしばらく更新をお待ちください。

まあ、とにかく現時点で1980円で購入できる(2017年1月11日現在)HEM-BTRATXは、買ってオモロい「激安の殿堂」という事で良いかと思います!!

なお、HEM-BTRATXは残念ながら販売終了となってしまったけど、例えば、先ほど紹介した「August MR230B」は現在でも購入可能で、aptX-LL&AAC両対応で同様のTIPSが使えるし、あとは「TaoTronics TT-BR09」という受信機もaptX-LL&AAC対応だったりと、幾らでも代替機はあるので、興味のある方はこの辺りでぜひ試してみると良いかと。



↓↓なお、この手法でFOSTEX T50RPmk3nを無線化する「実践編」についても書いてますので是非!!


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