「予算3万で揃えるハイレゾ完全対応の自宅オーディオシステム」と銘打って、コスパの良い1万円~1万5千円辺りで購入できる、光デジタル入力のあるフルデジタルアンプを過去に以下の記事で紹介した。
しかし、残念なことに紹介したアンプが揃いも揃って、品切れ状態が長く続いていて(HiFimeのUDP80は何らかの製品不具合がある模様?)、記事をせっかく見ていただいている方のお役に立てない状況がここしばらく続いていたりする。
そのような状況の中、最近、ようやくボクの
その名はエイリアンテックD8!!
さて、そのアンプがALIENTEKのD8(エイリアンテック?)というフルデジタルアンプだ。まあ、わかっているとは思うけど、例によって中華アンプだ(笑)
Aliexpress.com:ALIENTEK D8
ちなみにこれでやっと冒頭のETみたいな犬の写真を何故貼ったのかが理解してもらえたことかと思う(笑)
さて、このアンプのスペックだけど、まず基本的な性能を決めるデジタルアンプICとしては、前回紹介した「HiFime UDP80」と同じSTMicroelectronics社のSTA328というチップが搭載されていて、デジタル入力をそのまま増幅して音声信号に変換する、いわゆるフルデジタルアンプという事になる。
その他の基本的なスペックと併せて、本アンプスペックを以下にざっと記載してみる。
入力インターフェース: USB、SPDIF(光デジタル/同軸)、アナログRCA
出力インタフェース:スピーカー出力、ヘッドホン出力(6.5㎜)
出力パワー: 80W x 2 @4Ω、ヘッドホン出力電力: 125mW @32Ω
対応サンプリングレート: 44.1 KHz-192 KHz(光/同軸/USB※XMOSのみ)
SN比:アンプ部100dB、ヘッドホンアンプ部112dB
サイズ: 140x108x32mm
重量: 1.2kg
ACアダプタ: 28V/4.3A
なお、RCA/USB/SPDIFを入力に持つフルデジタルアンプという意味では、構成や機能は以前から紹介しているNFJのFX-AUDIO- D302J+にとても似ているのだけど、その内部のチップ構成については、ALIENTEK D8に搭載されるチップは、ほぼ全てのチップがD302J+よりも1段階グレード(評価)の高い高性能チップとなっている。
以下にそれぞれのチップ構成をざっと書き出してみよう。
■FX-AUDIO-D302J+
フルデジタルアンプIC : STMicroelectronics STA369BW
USBレシーバー(USB DDC) : VT1630
ADC : PCM1808
DAI : AK4113
ヘッドホン出力用DAC : STMicroelectronics STA369BWのラインアウト出力を利用
ヘッドホンアンプIC : NE5532(交換可能)
■ALIENTEK D8
フルデジタルアンプIC : STMicroelectronics STA328
USBレシーバー(USB DDC) : XMOS
ADC : AK5358
DAI : WM8805
ヘッドホン出力用DAC : PCM5122
ヘッドホンアンプIC : MAX9722
ちょっと文章が長文化してしまうので、それぞれのチップがどうなんだ、というところまで今回いちいち言及する気は無いのだけど、この辺り、よくご存じの方であれば、ALIENTEK D8側が廉価なアンプにしては如何に贅沢なチップ構成で構成されているかはご理解いただけるだろう。
これと比較してしまえば、ことチップ構成に限って言えば、FX-AUDIO-D302J+側はやはり見劣りするスペックと思ってしまうのは仕方がないかと思う。
FX-AUDIO-D302J+じゃダメなの?
さて、こんな風に書くとFX-AUDIO-D302J+はダメってこと?なんて疑問に感じる事かと思う。
お前、あんなに薦めていたじゃないかと(笑)
で、ボクの率直な意見だけど、ボクは正直、光デジタル/同軸デジタルで接続して、スピーカーで音楽を聴くだけであれば、FX-AUDIO-D302J+では「AK4113→STA369BW」の流れ、ALIENTEK D8では「WM8805→STA328」の流れで信号を流すだけの違いなので、経由しているチップの性能差もそこまで感じるものでも無いと思うので、この部分だけで言えば、両者にそこまでの差が発生するとは思わない。
おそらくだけど、この程度の性能差であれば、どちらかというとアナログ部分の電源やLPFといった回路の設計の方がよっぽど重要なのは間違いないと思う。
そう考えると、この辺り、NFJのアンプのD302「J+」の部分が示す通り、FX-AUDIO-D302J+は日本側で徹底的にチューニングをかけているわけで、最終的な性能で言えば、FX-AUDIO-D302J+の方が優秀であるという可能性も高いだろう。
ただし、これは光デジタル/同軸デジタルからの入力をスピーカーで鳴らすといった場合に限られていて、USB接続をメインで使用する場合や、ヘッドホン出力の活用も考慮している場合は、やはり、搭載チップの基本性能の高いALIENTEK D8の方が有利と言わねばならないだろう。
特にUSBレシーバーとしてALIENTEK D8では、過去から高性能として評判の高いXMOSを採用しており、対応サンプリングレートの上限(D8は192kHz/24Bit、D302J+は96kHz/24Bit)という話だけではなく、信頼性・評価・基本性能の観点からもこの差は大きいだろう。
そして、ヘッドホンアンプ部もD302J+が幾らオペアンプを交換できると言っても、そもそものアナログ音声の出力をSTA369BWのおまけ機能であるラインアウトからの出力に頼るD302J+より、高級DACチップと評価の高いPCM5122でDA変換する方が高音質である事は間違いないといえるだろう。
また、MAX9722もそれなりに高評価のヘッドホンアンプICである事と併せて、あくまでチップ構成での比較にはなってしまうけど、やはりALIENTEK D8の方が高音質を実現できる可能性が高いと判断できるだろう。
まとめると、やっぱりお好きなモノをどうぞ(笑)
さて、金額の観点から言うと、ALIENTEK D8はAliexpressから購入する場合は、1万円程度と別途ACアダプタの調達が必要なFX-AUDIO-D302J+とACアダプタ合算の金額はそう変わらない。
※なお、Amazon経由でも買えるけど例によって割高だ。なお、購入する場合は「XMOS」版を購入する点に注意。
また、出力の高い28V/4.3AのACアダプタ(写真を見たところ、おそらく100-240Vで日本と同形状のプラグ)が標準で付属され、評価の高い高性能チップを搭載、リモコン装備&液晶表示可能という事から考えると、ALIENTEK D8の方がグレード的にはD302J+より高級機であると考えて差し支えないと思う。
そう考えれると、ALIENTEK D8はかなりコスパの高いアンプと言い切って良いんじゃないだろうか。
そう、わざわざ同価格の低グレードな機種を買う理由は普通であればないはずだ。
ただし、やはり「日本品質が介在した中国製品」と「生粋の中国製品」では信頼度が全く異なる、という根本な問題もある。FX-AUDIO-D302J+は日本の代理店が自身でチューニングや品質管理も行い、責任を持って販売している製品と言うわけで、その信頼性はボクの経験上でもかなり高いと思って良いかと思う。
まとめると、結局は、「何にお金を払うか」という話になるとボクは思っていて、日本の代理店という信頼性を取るならFX-AUDIO-D302J+を、USB入力とヘッドホン出力のスペックの高さと誰も持っていないという面白さを取るならALIENTEK D8を、という風に今回は結論づける事になるかなあ。
あ、リモコン欲しい人はALIENTEK D8の一択で!!
興味のある方は是非購入して、レビューをアップしてもらえるとボクもオモロいです!!
※なお、未だに品薄のNFJのFX-AUDIO-D302J+ですが、Amazon経由でも購入できるようになったりと多少供給が安定してきた模様です。興味のある方は売り切れる前に是非どうぞ。
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