デカくて重い望遠レンズは不要!?運動会に最適なカメラ選び、5つのポイント。


さて、先日子供の小学校の運動会に参加してきたわけであるが、ふと気づいたのは、一番上の子が今年11歳になったという事で、保育所の運動会から数えると、実に10年間、ボクは何かしらの運動会に参加してきた事になる。

そのような中、当初はビデオカメラ&コンデジ、最近はミラーレスカメラに持ち替えて、子供の運動会の姿を撮影してきたわけなので、ここまで来ると、流石にもうそろそろ「プロのパパカメラマン(ただし運動会に限る)」を自称してもいいんじゃないだろうか(笑)

というわけで、この10年間、子供の運動会に参加する中で、運動会で使用するカメラについて、色々と思ったり考えたりしてきた事があるので、ここで一度、ボクなりの「運動会に最適なカメラとは?」について書いてみたいと思う。

これから子供の運動会を迎える方も、また今年はなかなかうまく撮れなかった、なんて思っている方にも、多少は参考となるかもしれませんので、よろしければお付き合いください。




目次

  1. 運動会撮影における最初の分岐点
  2. そしてボクらはやっぱり写真を選ぶべき理由
  3. 運動会での写真撮影で気にするべき5つのポイント
  4. 何はともあれフットワーク重視
  5. ズーム倍率は11倍以上を確保!
  6. 土ぼこりに負けないカメラを選ぶ
  7. ファインダーは必須条件
  8. 運動会に最適なカメラを選ぶ
  9. その他のカメラの抱える課題およびマイクロフォーサーズの優位性について
  10. 軽量&高性能システムを構築し、子供達を激写せよ!


運動会撮影における最初の分岐点


さて、運動会で「子供の雄姿を撮影しよう!」と意気込んだ際に、まず最初に大きな選択が立ちふさがる。

それは「写真を撮るのか、動画を撮るのか」だ。

ボク自身もこの辺りはまだ全然、考えがまとまっていなくて、本当に年によって、写真中心になっていたり、動画中心になっていたりとまちまちだったりする。

実際、両方撮れるのならそれにこした事は無いと思うのだけど、

・動画を撮影する人
・写真を撮影する人
・運動会を楽しむ人

の三役を一人でこなすのはかなり難しく、やはり写真を撮るのか、動画を撮るのかくらいは絞らないと、運動会の雰囲気自体を楽しむ余裕すら無くなってしまうので、ここはもう「自分で撮るのは(ほぼ)写真か動画のみ」に決めてしまった方が良いかと思う。


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そしてボクらはやっぱり写真を選ぶべき理由


さて、動画はボクは「無くてはならないかけがえのないもの」だとは思っている。当時の空気感や雰囲気を残すためには動画撮影は必須だと思う。

でも、動画撮影には一つ、重要なポイントがある。

それは、「ビデオカメラが初心者にも恐ろしく有能」であるという事だ。

こういう内容の記事で、この結論を書くのもなかなかチャレンジングかとは思うけど、実際にビデオカメラは、後から運動会に最適なカメラの条件を書くけど、昨今の技術革新により高画質化&軽量化がどんどん進み、ホールド感&撮影スタイル&手振れ補正&ズーム性能とどれを採っても「運動会に最適な撮影機材はビデオカメラだ!」としか言いようがないとボクは思っている。

また、動画(ホームビデオ)の特性として、「なんとなく撮れていれば良い」という側面もあり、写真撮影に比べてはるかにその撮影シーンに対する失敗も少ない気がする。

ならば、せっかくこういうものがあるのだから、その恩恵に預かり、これを、妻や祖父母に渡しておいて、動画撮影はそちらにおまかせしてしまえばいい。

そして、ボクらはやっぱり「苦難の道」である写真撮影に挑もうじゃないか(笑)

まあ、もしくはビデオカメラで適当に撮影しながら、運動会を十二分に楽しむというのも悪くないかとは思うけど。


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運動会での写真撮影で気にするべき5つのポイント


さて、写真を撮影すると覚悟した決めたとして、運動会における撮影に向いたカメラを考える場合に幾つか重要なポイントがある。

以下ではそのポイントについて書いていきたいと思う。

運動会撮影向きのカメラでボクが重要と考えるポイント。それは以下の5つのポイントになるだろう。

・装備重量
・ズーム倍率
・坊塵性能
・ファインダー
・連写性能

なお、AF性能なども重要なポイントではあるのだけど、AF性能については「置きピン」などの手法で対処した方が根本的には良く、撮影技術に大きく依存する部分でもあるので、あくまでカメラ自体の性能という観点で上記のポイントは挙げている事を補足しておきたい。


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何はともあれフットワーク重視



実際には運動会の開催場所にも依るとは思うけど、例えば小学校の場合で考えると、200mトラックを中心にすえ、その周辺で親が運動会観戦をするというのが一般的かと思う。

そのような中、競技によっては目まぐるしく、「撮影にベストな位置」は刻一刻と変化するわけで、場合によっては1競技の間で数百メートル移動しながら撮影する、なんて事も普通にあり得たりする事になる。

この点で、機動力というポイントはかなりこの戦局を左右する需要名ポイントとなるだろうし、その機動力を決定付ける全体の装備重量というものはかなり重要だろう。

時折、プロのスポーツカメラマンが持っているような「巨大なズームレンズ」を所持している人を見たりするけど、確かに、周囲に邪魔にならない前提で良い位置に付ければ、結果こそ良いものが得られるかもしれない。

だけど、その大きさと重さから、機動力は落ち、満足に構える事もできない可能性も高いことからすると、運動会にはこういったカメラ&レンズは向いていないという風に考えた方が正しいんじゃないかと思う。

ぶっちゃけ、センサーサイズの大小による性能差は、暗所における高感度性能で最も差が出ると思っていて、その点、たとえ曇り空だったとしても太陽の真下で実施する運動会では、巨大なカメラ&レンズを使用するメリットはとても小さいと言い切っていいんじゃないかと思う。

そういう意味で、フルサイズよりAPS-C、APS-Cよりマイクロフォーサーズ、もしくはさらにコンデジとセンサーサイズが小さくなればなる程、レンズ自体もコンパクトにできるので、後はどこまで妥協できるか、でホールド感の良い、なるべく小さいカメラの方が運動会には最適と言って良いだろう。


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ズーム倍率は11倍以上を確保!


これはもう、個人的にどこまで大きく撮りたいか、にはなると思うのだけど、ボクの感覚として、一般的な小学校(200mトラック)であれば換算300mmでやっとギリギリのように感じている。

この点については、ちょっと言葉だけではわからないと思うので手持ちの写真の中から参考になるであろう一枚(モロ個人情報なので8ビット加工済み(笑))を掲載してみよう。


この写真は、200mトラックの反対側を走る子供たちを捉えた写真で、これでやっと「換算350㎜」というところだ。大人と子供がどの程度のサイズで写るかについて注目して欲しい。

正直、これを見ると、200mトラックともなると、反対側まで捉えようとすると結構な距離感があるなあと感じるのが素直な感想じゃないだろうか。

換算350㎜でこの程度の大きさなので、300㎜だとさらに一回り小さく写る事になる。

この、換算300㎜という画角は、広角端が換算28mm程度のカメラであれば、倍率として11倍以上、という事になるのだけど、上記を見ると、この辺りの倍率まではあった方が良いなあと素直に思わないだろうか。

よくある10倍ズーム、つまり換算280㎜程度だとちょっと足りないと感じる可能性が高いとボクが言っている理由もわかってもらえると思う。

以上、得てして運動会は位置取りが難しく、

・ゴールシーンを上手く撮るためにトラックの対角から狙う
・前線は他の親で埋められているので、後方から狙う
・子供の表情、小道具などを大きく写す

など、あらゆる位置から子供をうまく撮影できそうな場所を確保する必要があるため、ズーム倍率には余裕があった方が望ましく、ボクのオススメとしては「換算300㎜以上」としたいと思う。

なお、このあたりの「35mm換算で何ミリか」という情報についてはレンズのスペックを見れば良いので、候補となっているカメラ&レンズのスペックを参照して確かめて欲しい。


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土ぼこりに負けないカメラを選ぶ


さて、とにかく運動場というのは土ぼこりが多く、時には風が強い場合などもあったり、最近だとそれに加えて中国からの黄砂が降り注いでいたりと、精密機械であるカメラを使用する環境としては劣悪としか言いようがない。

土ぼこりがカメラやレンズ本体に入り込んでしまうと、写りに影響するような不具合が発生したり、最悪故障して動かなくなるなんて事も考えられるので、こういった環境への対策として、「防塵&防滴仕様」を謳うカメラを導入するのが安心かと思う。

しかし、「高倍率ズーム」&「防塵&防滴仕様」の両方を備えたカメラともなると、その選択肢がかなり絞られてしまうという問題がある。

例えば、フジフィルムの「防塵・防滴仕様の50倍ズーム機」である「FinePix S1」なんかもかなり良さそうなのであるが、既に生産終了でかつ後継機も出ていなかったりと今では中古で求めるしかない状況だ。


とかくここまで来るとニッチな世界になるのか、該当する商品の数は限りなく少なく、購入するタイミングで、自分のその他のこだわりを満たす「防塵&防滴仕様」のカメラでちょうど良い物が見つからないなんて状況も十分にあり得る。

そのような場合に、次にお勧めしたいのが、「インナーフォーカス&インナーズーム」となっているレンズおよびそういったレンズを備えたカメラである。

このインナーフォーカスおよびインナーズームが何かと言うと、簡単に言えば、フォーカス時に全長が変わらない(インナーフォーカス)&ズーム時に全長が変わらない(インナーズーム)という事を示している。

これは、レンズがオートフォーカスやズーム操作の際に伸縮する事無く、周囲に付着した土ぼこりなどをレンズ内部に巻き込んでしまわないという大きなメリットがある。

逆に言えば、デジタル一眼&ミラーレスでキットレンズになっているようなレンズは沈胴式だったり、防塵仕様で無いにもかかわらずズーム時に全長が大きく繰り出したりと、繰り出し部に付着した埃を巻き込んでしまう可能性が高いと言えるだろう。


対策としてはズーム部を運動会前に繰り出したままにして、それで撮影しきる、なんて事も考えられるけど、おそらくそれだと無理があるよね。

なお、先日、子供の運動会があったので、運動会での実際の土ぼこりの様子を撮影してみたので、紹介してみたい。


どうだろう。これでも大切にしている高級カメラ&レンズを持っていきたいと思うだろうか?(笑)

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ファインダーは必須条件


曇り空であれば問題ないかもしれないけど、やはり晴天下における撮影では液晶を見ながらの操作はほぼ不可能といっても過言では無く、運動会の撮影においてはファインダー(EVF)機能は必須の機能と言って良いだろう。

特に、これはボクもいつも実感しているのだけど、望遠レンズなどを使っていると、通常のコンデジなんかでもどうしても背景がボケるため、ピントが重要になるのだけど、液晶画面の場合はピントがちゃんと合っているのかが判別しづらくなってしまうからだ。

せっかくの子供の運動会なのだから、ピンボケ写真を連発してしまった後で、ファインダーがあれば良かったなどと後悔するのは実にもったいないだろう。

この点は、同じようにファインダーが無くても、いったんピントがずれてもしばらくすればピントが合って救われるビデオカメラとは異なる点は理解しておいた方が良い。

また、ファインダーがあると構え方自体も左右の手と接眼部の三点でカメラを支える事になり、とにかくブレやすい高倍率ズーム時での撮影でも効力を発揮するだろう。

玄人になれば、ファインダーを覗いていない方の眼でしっかりと子供の生の姿を捉えながら撮影する事もできるので、液晶越しの姿しか見ずに一日終わるという事も無くなるしね(笑)

以上の通り、カメラの選択肢を大きく狭める事にはなってしまうけど、ファインダーを備えたカメラを選ぶのはマストとしたいと思う。

連写こそがボクら素人を救うのだ


カメラの指南書なんかを見ていると、「連写に頼るな」という意見を述べているカメラマンもいたりするみたいだけど、とにかくボクは「連写機能とストレージ容量に頼って」とにかく枚数を稼ぐ方が良い結果が得られるように実感している。

※もう少し正確に言うと「連写機能にも頼る」という事になるのだけど。

正直、運動会に参加してみるとわかる事は、ダンスや表現でない限りは、子供の出番など一瞬で過ぎ去ってしまうという事だ。

小学校1年生ですら50mを平均12秒弱程度で走り切る(秒速4m強)みたいだし、本当に撮りたいゴールシーン(その距離50㎝程度?)など0.2秒にも満たなかったりする

このような条件の下では、「シャッターチャンスを自身の能力で捉える」自信が無ければやはり連写しておいた方が成功確率が上がるような気がする。

そういった意味でカメラの連写性能は大変に重要となるだろう。秒間何枚撮れるかというのが、つまり「ゼロコンマ何秒間隔で連写できるか」を示す事になるので、この辺りを十分に考慮する必要がある。

なお、補足だけど「SDカードへの書き込み性能」も問題になる事が多く、連写時にバッファにため込んだ写真のSDへの書き込みが間に合わず、カメラが数秒フリーズ状態になってしまい、シャッターチャンスを逃した、なんて事も過去によく経験した。

SDカードも高速な物を使用し、実際にはこの書き込み性能までを含めて連写性能は評価する必要があるだろう。

最新のカメラであれば、「UHS-Ⅱ U3」という規格に対応したSDカードを選ぶことで高速な書き込みに対応している物もあるので、こういったものを導入するというのも有効だろうかと思う。



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運動会に最適なカメラを選ぶ


さて、以上から導き出される運動会に最適なカメラの条件をまとめてみよう。

・なるべくコンパクトで軽量である事。
・11倍以上のズーム(換算300㎜以上)を備えている事。
・防塵仕様かもしくは操作時に全長が変化しないカメラである事。
・ファインダーを備えている事。
・連写機能(秒間10枚以上)に優れている事。

さて、これを条件としてカメラを探す事になるのだけど、ここでまず、ボクが最初に書いた「ビデオカメラが運動会用の撮影機材として最適」という言葉を思い出してほしい。

連写性能うんぬんは抜きとして、最新の高性能ビデオカメラはほぼほぼこれらの条件を満たしている。

元々、ビデオカメラは全長が変わらない機構となっていて、高倍率である事も当たり前だ。

以下のパナソニックのHC-WXF1M/WZXF1Mなどは、24倍ズームとビューファインダー(現行のビデオカメラの多くはビューファインダーが無い)を備えていて、かつ4Kで撮影できるので、写真を切り出しても十分に印刷に耐えるので、カメラにこだわらない人はビデオカメラの中からこういった物を選ぶというのも良いだろう。




なお、価格がこなれてきている旧機種のHC-WXF990Mも今はかなりお得感があるので併せてオススメとしたい。







■候補1:Panasonic DMC-FZ300

それでも、やっぱりカメラをという奇特なボクら(笑)のために、上記条件を満たす現行機種であるカメラを選ぶとなると、まず候補にあげたいのが、Panasonicの高倍率ズームデジカメであるDMC-FZ300だ。

こちらは、現行機で高倍率ズームを備えている防塵防滴の機種であり、「通しF2.8の24倍ズーム(換算600㎜)」&「防塵防滴仕様」を備えているのに加えて、連写性能も、「メカシャッター時→高速(H):約12コマ/秒(AFS時)」「電子シャッター時→超高速(SH):約60コマ/秒」となっていて、ばっちり条件を満たしている事がわかるだろう。




Panasonicのカメラには4Kフォトという4Kでの動作撮影機能を活かした写真撮影機能があり、そちらの機能を使う事で秒間30コマの4Kサイズ(3820×2160)での写真撮影も可能であり、こういった機能を使う事で、子供のゴールシーンなどの瞬間に備える事ができるのもこのカメラの強みかと思う。

作例もFlickrにアップされている物を見てみたけど、明るい場所で撮影された撮影結果については特に問題も見受けられない。

Search: DMC-FZ300 | Flickr

皆さん、このカメラを入手して、「換算600mm」というズーム倍率を活かして、鳥や昆虫、動物などを遠くから狙って撮影しているようなので、まさに同じような条件下で撮影する運動会の子供達を撮影するのにも向いていると考えて良いかと思う。

ただ、これも発売が2年くらい前なので、後継機が出るか&販売終了がいつかの観点では少し心配だ。

このDMC-FZ300については購入できるうちに購入を検討した方が吉かもしれない。




候補2:Canon PowerShot G3 X

さて、もう一つ、現行機種の中から条件を満たすものを紹介すると、候補に挙がるのが、CanonのPowershot G3Xとなるだろう。



こちらは、画素数は2020万画素で、センサーサイズが1型とこの類の高倍率ズームカメラとしては大きく、EVF(ファインダー)こそ外付け(別売)となるが、防塵防滴仕様&25倍ズーム(換算600㎜)と撮影性能的には十分すぎると言えるだろう。

Panasonicのカメラはちょっとという方は、是非、世界中で愛されるCanon製のこちらのカメラをおすすめしたい。

センサーサイズが1型の超望遠は他に選択肢がない事もあり、高級コンデジの範疇に入るので多少値段が張るということはあるのだけど、予算がある程度潤沢というのであれば、こちらのカメラも十分オススメして良いかと思う。

なお、購入するのであれば、EVFが同梱されたセットを買ってしまった方が絶対に良いかと。





候補3:マイクロフォーサーズ+高倍率ズームレンズ(Panasonic編)

さて、もう少し画質にもこだわりたい、という事であれば、ボクは断然マイクロフォーサーズに高倍率ズームレンズを装着する方法をオススメしたい。

APS-Cやフルサイズで「高倍率ズーム」を実現しようとすると、どうしてもそのセンサーサイズのためにカメラ本体のみならず、レンズも巨大になってしまうからだ。

太陽光の下で子供を撮影する程度であれば、先ほども書いた通り、センサーサイズによる画質の差が出にくく、特に望遠のズームレンズともなると元々単焦点レンズに比べて画質が甘くなる傾向もあり、APS-Cでもマイクロフォーサーズでもそこまで大きな差が出ないというのも実感としてある。

その意味では、レンズ交換式カメラの中では「高性能なズームレンズが作りやすい」というマイクロフォーサーズの構造上のメリットが十分発揮されるだろう。

というわけで、まずボクがここ数年運動会で必ず持って行っている装備から紹介してみよう。


Panasonicの「ルミックス G6(DMC-G6)」と換算350㎜までズーム可能な「ルミックス G X VARIO PZ 45-175mm(H-PS45175)」の組み合わせである。

こちら、カメラもレンズもどうちらも防塵仕様にはなっていないのだけど、このレンズは、フォーカス操作時にもズーム操作時にもまったく長さが伸縮しないインナーフォーカス&インナーズームレンズとなっている


そして、この構成での全体重量は630gと、先ほど紹介したDMC-FZ300でも全体重量が691gあるみたいなので、それよりも軽い事になる。

ボクが写真撮影用の機材はフジに移行しながら、このシステムもサブシステムとして継続で使用しているのも、それなりの理由がある。

それはG6自体の軽さに加えて、レンズが伸縮しない事による土埃の多い環境下での安心感と、換算で350㎜までズーム可能なため、撮影に最適な場所をどんどん移動しながら、何も気にせず、ファインダーを覗いてバシバシとシャッターを切れるからで、まさに手放せない構成となっている。

なお、ボクの所有している旧型のG6には欠点として、多少連写性能が弱いというところがあったのだけど、この辺りは、多少重量は増えてしまうのだけど、4Kフォトを搭載していて、「Dual I.S.2」という強力な手ブレ補正機能が搭載された最新のG8では解消されているので、こちらを選択しとして選ぶのが良いかと思う。


ちょっと先ほどに引き続きPanasonicのカメラの紹介になってしまうけど、特に回し者というわけでは無いです(笑)




候補4:マイクロフォーサーズ+高倍率ズームレンズ(Olympus編)

マイクロフォーサーズはPanasonicだけでなくOlympusも製品を展開していて、もしどっぷりとマイクロフォーサーズで行くという事であれば、Olympusの防塵防滴仕様のカメラであるOM-Dシリーズを選択するのも良いと思う。


Olympusはレンズも「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」という広角端28㎜から望遠端300㎜までをカバーする防塵防滴仕様のレンズを出しているので、こちらと同じく防塵防滴仕様のボディである「OM-D E-M5 Mark II」を組み合わせる事で、Panasonicの上記のシステムより更に悪環境に強いシステムを構築する事ができるだろう。



なお、これらがセットになったキットもあるので、1からシステムを導入するのであればこちらの方がコスパが良いのでオススメと言えるだろう。


以上、マイクロフォーサーズは主にPanasonicとOlympusの2陣営で展開されているのだけど、個人的には「写真の画質」自体にこだわる場合にはOlympusのシステムを、カメラの撮影性能や動画の画質にこだわる場合にはPanasonicを選べば良いかと思う。




候補5:DSC-RX10M4

さて、最後にSONYのRXシリーズから、DSC-RX10M4を紹介しよう。



こちらは正式には「防塵防滴」仕様をスペックとしては謳っていないものの、製品説明によると、各部にシーリングを施し、「防塵・防滴に配慮した設計を行っている」と言うことなので、運動会にも最適なカメラと考えてよいだろう。

なお、スペック的には以下の通り、申し分ないものとなっている。

  • 画素数 2,010万画素
  • センサー 積層1型CMOSセンサー
  • レンズ 24-600mm(35mm判換算、25倍ズーム)
  • 明るさ F2.4-4
  • EVF 235万ドット有機EL
  • 最高連写速度 約24コマ/秒
  • その他 防塵防滴設計、タッチパネル、4K動画

特に、広角側も換算24mmにF2.4と超広角に近く、かつ明るいレンズとなっていて、望遠以外のシーンでも十分楽しめるスペックとなっている点は素直に素晴らしいと思う。

なお、ソニーのコンデジのフラッグシップとなっており、あらゆるソニーの最新スペックを注入したと言える素晴らしいカメラなのだけど、価格もそれなりに高価なので、それだけはネックになるかもしれない。

だけど、超広角から超望遠まで、動画も静止画もこれ一台でカバーできると考えると決してフラッグシップカメラとしては高すぎる事も無く、一考の価値のあるカメラと断言して良いだろう。

なお、タッチパネルさえ不要であれば、価格的にもう少し安い下位モデルのDSC-RX10M3を選択するという手もある。

M4との違いはそれなりに色々あるのだけど、運動会用のスペックとして気になるのは、M3側は連射性能が「ピント固定で14コマ/秒、AF追従で5コマ/秒」となっている点と、M4では大きくオートフォーカス性能が改善されている点になるけど、それも5~6万円という価格差からすると許容できるレベルかと個人的には思う。

普段からタッチパネルをあまり使わない(ボクもフジユーザーなので使わない)人であれば、こちらもかなりオススメと言って良いかと思う。



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その他のカメラの抱える課題およびマイクロフォーサーズの優位性について


実際、この記事を書きかける前にはPENTAXのシステムやCanonのシステムについても色々紹介しようと思っていたのだけど、300㎜以上のシステムともなると、ボディ自体の重量がそもそも重くなるのと、

・防塵仕様もしくはインナーフォーカス&インナーズーム
・換算300㎜以上の望遠域をカバー

という仕様を満たすレンズがなかなか見つからず、

・ニコン→そもそも防塵(防滴)を謳うレンズが無い。
・キャノン→防塵防滴仕様のレンズがLレンズのみとなるので「EF70-200mm F4L USM」あたりを軸にシステムを組むことになるが、レンズ重量のみで705gあるため、ボディ重量と合わせると1㎏を超える。
・ソニー→「SEL24240」あたりを軸にそこそこ軽量なシステムが組めなくも無いが、カメラとレンズを組み合わせると1㎏は超える。
・フジ→「FUJINON XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」という素晴らしいレンズはあるが、レンズ重量のみで1375gとまったく軽量と言えない。

といった具合で、デカい・高い・重いの三重苦で、ボクが先に書いたような「機動力の高いシステム」を組む場合には、やはりレンズの重量が課題になるかと思う。

一眼レフの世界では1.5kg程度の構成は「軽量装備」ということになっているみたいだけど、冷静に考えれば1.5リットルのペットボトルを手に持ちながら走り回るのって、結構な運動量だよね(笑)

まあ、あと価格も十分課題かと(笑)



あと、ついでにペンタックスについても書いておくと、

・ペンタックス→「smc PENTAX-DA 50-200mmF4-5.6ED WR」というレンズを軸に防塵防滴の構成は組みやすいが、ミラーレスでないために連写性能が悪い。

といった具合でメカニカルシャッターしか無い事によるデメリットが大きな足かせになると思う。

このように考えると、ある程度安価にシステムを構築でき、軽量&コンパクトなマイクロフォーサーズシステムは少なくとも運動会という条件下ではかなり優秀と言い切って良いんではないだろうか。


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軽量&高性能システムを構築し、子供達を激写せよ!

以上、長々と書いてしまったので最後にまとめておこう。

運動会撮影において重視すべき5つのポイント、それは「機動力・高倍率ズーム・防塵性能・ファインダー・連写性能」の5つ。

そして、上記の条件下では、高倍率ズームデジカメから防塵防滴仕様の物を選ぶか、マイクロフォーサーズでシステムを組むのが最もコスパが高いと言えるだろう。

実際、ボク自信も、「写真を撮る事」についてはフジのシステムに移行してしまっているにも関わらず、運動会には上記のマイクロフォーサーズで組んだサブシステムを手放せないでいる現状からも、本心からそう言い切って良いかと思う。

なお、直近はズームがもう少しあっても良いかと思うケースが増えてきているので、高倍率ズームのデジカメの導入を検討中だったりもするのだけど。

やはり20倍以上のズームになると、ミラーレスカメラでも難しい領域になるので、高倍率ズームを作りやすいセンササイズの小さいコンデジの方が有利だしね。




なお、運動会の観戦後は、乾いた柔らかい布で全体を優しく拭き上げてから、レンズを外して片付ける事になると思うけど、その作業には「激落ちくん」シリーズで有名なレックから出ている以下のマイクロファイバークロスがオススメという事もついでに書いておこう。



さて、上記で色々書いてみたけど、多少は参考になっただろうか。

今回の記事が、皆さんの「運動会の子供の雄姿」の撮影に役立つことになれば大変うれしく思います!

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