さて、ずーーーーっと放置してしまったこちらの話題。
ただし。幾つかちょっと公開前に整理しておきたい内容があったのと、実際、ボクのサイトを見に来ている玄人の方にはこの情報不要じゃね?、という思いもあったりして、そこのところで何かとモヤモヤしている中で随分と放置する事になってしまった。
ただし、前回の準備編について一定数アクセスがある事も認識していて、かつ、
・使用しているオーディオ機器が最小音量でも大きくて改善したい。
・Bluetoothその他の機器でホワイトノイズが気になるのを抑えたい。
・ボリュームのギャングエラーや電子ボリュームのビット欠けが気になるのでなるべく音量を上げたい。
という目的に対しては、チョイ工作とは言え、多くの人に役に立つ可能性も高いので、実際の製作過程と、何にモヤモヤしていたのかの言い訳について書いてみようと思う(笑)
インピーダンス133Ωで減衰量が-20dBのアッテネータ製作で準備するもの
さて、今回作成する物について前回、以下のように書いた。
「結局手元に落ちていた(笑)、BispaのLGMFS抵抗の120Ωと15Ωを組み合わせれば、インピーダンスが133Ωで減衰量が-20dBとなるアッテネータが作成できそうなのでこれを作ってみることとしたい」
この場合の回路図は一番単純なL型アッテネータとする事として、以下の通りとなるだろう。
なお、スマホやBluetoothレシーバーと一緒に使うわけであるので、軽量でコンパクトかつ、取り回しがしやすい事も重要だろう。
というわけで材料はこうだ。
3.5Φ基板用ステレオジャック(Bispa)
金属皮膜抵抗:120Ω/±0.5%品(Bispa)
金属皮膜抵抗:15Ω/±0.5%品(Bispa)
片面ガラス・薄型ユニバーサル基板Cタイプ(72x48mm)めっき仕上げ(秋月)
3.5㎜ステレオケーブル
熱収縮チューブ(11㎜径~13㎜径程度のもの)
なお、上記以外にグルーガンやはんだも当然必要になる。
このうち、一番難しいのが、3.5㎜のステレオケーブルで、まず「ぶった切って惜しくない物(笑)」という大前提がいる。
Amazonあたりで調達するなら、上記のようなケーブルになるかと思うけど、断線してしまったイヤホンだったり、何かに付属していたようなケーブルを切断して使うのも良いだろう。
なお、ボクがこの製作編をなかなか更新できなかった理由はまさにここにあって、コンパクトで良い「軽量」なプラグが見つからず、だからと言って、上記のようなステレオケーブルでは内部の線材が細すぎて、高音質を目指して自作するという割には、材料として最適な物を見つけきれなかったことも大きい。(ストレート型であれば以下のVIABLUEとかNOBUNAGA Labsの物が良さそうだけど。)
この辺りは、L型のプラグの方が個人的に使いやすい事もあって、結局は上記のような多少ケーブルがしっかりした(イヤホンなどに比べて、だけど)メッキ加工された、小型プラグ付きのケーブルを切断するのが妥協案としているけど、また何か見つけたら更新したいと思う。
というわけで製作工程を晒す
さて、それでは早速製作を始めよう。
先ほど、材料に秋月の「薄型ユニバーサル基板Cタイプ」を指定したのだけど、この基板をボクは愛用している。
こういったちょっとした小さいパーツを作る際に「0.8㎜」という薄さのこの基板はとても便利で、なんといっても丈夫なハサミでカットができるのがポイントが高い。
というわけで以下のような感じにカット。ちなみに幅は合わせた方が良いけど、長さは多少後で調整できるように長めにしておいた方が良いかも。ボクもこの写真の後にやり直した(笑)
ステレオジャックを基板に取り付け。
配線をして、、、
回路図通りに抵抗と線材を配置。この際、基板を必要な長さと形状にカット。
ここで、それぞれの線をはんだ付け。
なお、このジャックの場合、以下の通り(下方向から)の端子配置となっており、1番がGND、2番がL(左)、3番がR(右)となっている(4、5番はSW端子)模様。
ただし、この辺りは、購入した物によって仕様が異なる可能性が高いので、必ずテスターで確認する事!(中国生産の廉価な製品のステレオジャックのLR反対問題が如何に多いか、実感している人も多いんじゃないだろうか、、、)
次にケーブルを切断。しかし、想像通り、やっぱり、細すぎる、、、(笑)
この辺り、ちょうど良い素材(コンパクトなL型プラグが付いている柔らかめのケーブルで、内部の線材がある程度太い物)があるといいんだけど。
こういった線材の場合、だいたい右(R)が赤っぽい色になっている事が多く、GNDはだいたい黒か白、左(L)はそれ以外の色になっている場合が多い。
だけど、ちゃんとテスターで調べる事!!(しつこい)
その後、ケーブルを基板にはんだ付け。先ほど書いた通り、テスターでこのケーブルのRがオレンジの線材であることを確認したので、そちらを3番に接続し、白い線(GND)を1番、緑の線(L)を2番に接続。
このままだと線が細すぎてすぐに配線が切れること必至のため、100均で購入したグルーガンでネチョ固定。
この段階でテスターで配線を確認後に、ドキドキしながら実際の機器に接続して「使用上問題が無いか」を確認。この程度の回路であればスマホやイヤホンをぶっ壊す事も無いかとは思うけど、十分ご注意を。
単純な回路とは言え、しっかり配線や導通を確認して問題が無いようであれば、以下のように熱収縮チューブを準備。以下の写真では熱圧縮チューブとして13㎜径(Φ13)のものを使用したけど、入手性は悪いけどΦ11の方がピッタリで良い結果が得られるかも。(ただちょっとキツいかも。10㎜は入らないかと。)
熱収縮チューブは以下のようなセット品を購入しておくと便利かも。
熱を加えて熱収縮チューブを圧縮すると、、、完成!
狙った通り、取り回しも良く、軽量で使い勝手は良いかと。
実際の効果を確認
iPhoneで実際の音量減衰効果を確認。
まずアッテネータ無しの場合。試したヘッドホンでは8目盛りくらいでちょうど良い感じに聴けることをまず確認。
そして、アッテネータを装着して、だいたい同じような音量(いい加減)になるように調整したところ、なんということでしょう(死語)。
14目盛りまで音量を上げる事ができるように!
というわけで、アッテネータ有りにすると、6目盛り程度は音量が上げられるようになっているので、1目盛り3dBとかなのかも?
いずれにせよ、これだけ音量を下げられれば、最小音量時に音がデカすぎる機器に適用してやれば、十分効果を発揮するだろう。
元々の目的である、最小音量ですら音が大きすぎる機器のボリュームを抑えたり、Bluetooth機器等で発生するホワイトノイズをノイズフロアを引き下げる事で抑えたりするする目的は達成できたと思うので満足。
音質に対する影響、その他について
さて、ボクがこの後編をなかなかアップできなかった理由の一つに先ほどは「DIY向きの良いプラグ(ケーブル)が見つからない」という点を書いた。
実は、もう一つ、モヤモヤを解消できない理由があったりする。
それは、「やはり少し音質の傾向は変わる」という点だ。
前回の記事中、ダイナミック型であれば影響は受けにくいはずという話を書いた。そして、ボクが今回試聴に用いた機器もダイナミック型のイヤホンやヘッドホンなのだけど、やはり何となく音は変わっている気がする。
傾向の変化として製作当時に感じたのは、低域が増して、中高域の解像度が薄れている、、、かも?
当然、間に接点が二つも増えているわけなので、音質の劣化があるのは仕方がないとは思う。ただし、表題に「高音質」と書いたからには、回路周りの影響で明らかな大幅な音質劣化があるのでは気になってしまう。
しかも駄耳すぎて、これを劣化と取るべきなのか音質変化と取るべきなのかジャッジできなかったり(笑)
というわけで、今回、「モヤモヤしてても仕方ねえ!それなりに高音質で聴ける環境を作って聴いてOKならOKじゃねえか?」という事で以下の構成で試聴。
※電池駆動したたかじんさん頒布の真空管アンプ「0dB HyCAA(めっちゃいい音!)」にラズパイオーディオ(SabreberryDAC Zero)を接続して、相変わらず愛用中の「T50RPmk3g」に上記のアッテネータ経由で試聴。
うーん、良い音(笑)
やっぱり自作は楽し。
(色んな仕様で何本か作ってみた。)
さて、市販のアッテネータケーブルが結構高価なので自作してみようと始めた今回のチャレンジ。
冒頭に書いた
・使用しているオーディオ機器が最小音量でも大きくて改善したい。
・Bluetoothその他の機器でホワイトノイズが気になるのを抑えたい。
・ボリュームのギャングエラーや電子ボリュームのビット欠けが気になるのでなるべく音量を上げたい。
という目的は十分達成できたと言って良いんじゃないだろうか?
なお、当然だけど、以下のように市販のケーブル(iFi IEMatch)なんかでも同じようなことができるし、結構面白そうな(SensitivityをHighとUltraで切り替えられるのが楽しそう!)ので、もう色々面倒であればこちらを購入でも良いかと思う。(値段も8000円弱だと工作用の道具を揃えて2本作るよりは安い?)
でもまあ、普段からはんだ付け等にいそしんでいる人であれば、とにかく大量に制作することもできるので、自作もオススメかと。
あと、もっと気軽にやるならボリューム付きのオーディオケーブルという手もある(ボクも愛用中)事を併せてお伝えしておこう。(ただし、この手の製品、既に廃番になってるもの、多し)
というわけで、今日はこの辺りで。長らくネタを放置してすいませんでした!!
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