導入してからというもの、全然切れないし、しかも、aptX-LL対応なので、音声の遅延にも強いしで、もうさっさと買っときゃあ良かったという話。
さて、Bluetoothオーディオと言うと、このブログのメインのテーマの一つにもなっており、ボクも紹介していない物も含めて、様々な機器を試してきた。
その中でも特に、以下でも紹介している「Creative BT-W2」というトランスミッターは、その小ささやaptX-LLという低遅延のコーデックに対応している事、USB-DACのようにデジタルのままで音声が飛ばせるという事で、とても気に入っていて、導入以来、今でもほぼ毎日、愛用していたりする。
- 10m程度離れる
- ドアの向こうなど遮蔽物のある状態になる
というわけで、常にこういった課題を克服できるような製品が無いかをずっと探していたのだけど、その中で見つけたのが、今回紹介する、「Avantree Priva III」となる。
なお、冒頭に書いた通り、すっかり満足している状況なので、「ピン」と来た方はボクのレビューなんて読んでないで今すぐポチっていただいて問題ないかと(笑)
目次
- Avantree Priva IIIの開封の「キ」
- 改めての課題&根本原因について
- Avantree Priva IIIの仕様について。長距離伝送を実現するClass1とは。
- USBオーディオクラス機器として使える!
- 2台同時にaptX-LL接続が可能!
- PC接続を実際に試してみる。想定以上に快適な環境が実現!(※注意点も追記)
- スマホやiPhoneで使ってみたらこうなった
- まとめ:もうすっかりAvantreeの手先になりそう(笑)
Avantree Priva IIIの開封の「キ」
さて、ここでまず開封の「キ」を。
ちなみに製品購入する人に必要な「キ」ホンの情報だけ紹介するので、「開封のキ」としている。「儀式」の「儀」なんて書いてパッケージ空けてレビューを終了してる人とは一味違うぜ、というロックな魂です(笑)
まずはパッケージから。こんな風にラブラブに映画でも見たい人は即効購入で(笑)
日本語マニュアルが同封されているので安心。何気に重要。
その他のマニュアル類。まあ、先ほどの日本語マニュアルがあれば開く人はいないかも。
ご尊顔。結構デザインは良いと思う。メタリック部分もプラスチックではあるけど、塗装全体に高級感がある。
裏側はマグネットが脱着できるようになっている。マグネット側には両面テープがついているので、これを好きなところに貼り付ける想定となっているようだ。なお、写真には撮り忘れたのだけど、この背面のシールとして別途技適マークのある物が付属している。
付属品はイヤホンジャック入力用の3.5㎜ステレオケーブル&RCAケーブル、MicroUSBケーブルとなっている。
なお、本体にはスライドスイッチが付いているので、使用していない間はスイッチをオフにしておく事が可能。
以上、付属品は必要最小限、というところだけど、本体はなかなか高級感があって良い感じ。
以上、開封レポート、ミッションコンプリート!!
目次に戻る
改めての課題&根本原因について
さて、ボクは主にPCでの利用時には、Bluetoothオーディオトランスミッターとして、先ほど書いたCreativeのBT-W2というトランスミッターを、レシーバとしてはAvantree Audition ProというaptX-LL対応の軽量ワイヤレスヘッドホンを使用している。
クリエイティブメディア
この両者を用いた際の使用感としては、まず、PCに向かい合って、インターネットを散策していたり、YoutubeやHuluといった動画配信サービスの視聴、音楽鑑賞をしている分には何の問題も無い。
Audition Proの実に快適なつけ心地の良さもあって、音声が途切れる事も無く、何とも快適なワイヤレス環境を楽しむことができる。
ただし。これもPC周辺で用事が済む場合に限られていて、ちょっと喉が渇いたので冷蔵庫に移動したり、何か探し物があって席を離れたり(あと、トイレに行ったりw)、少しトランスミッターとレシーバの距離が空いた状態になると、接続状態が乱れてしまう。
具体的には、音声がボソボソと途切れたりするのだけど、距離が離れすぎたり、もしくはドアや壁の向こう側まで移動したりすると、最悪、接続自体が切れてしまう事もある。
これは、Bluetooth自体が「省電力無線仕様」であるが故の制約となっていて、そのパワーの弱さゆえに、どうしてもその通信が不安定になりやすく、かつ、昨今のコーデックが「固定ビットレート」になっているのも一つの原因だとボクは思っている。
なお、この辺り、aptXシリーズのコーデックを提供しているQualcomm社も認識しているのか、2018年8月に「aptX Adaptive」という仕様を発表して、通信が不安定な場合は自動的に低いビットレートに切り替えるような仕様を出してきているのだけど、こちらはこちらで音質の劣化を伴うので、根本的な解決、というわけでも無いと個人的には思っている。
目次に戻る
Avantree Priva IIIの仕様について。長距離伝送を実現するClass1とは。
改めて、Avantree Priva IIIの仕様について書いてみると、以下の通りとなる。
- Bluetoothバージョン: 4.2 (Class1)
- Bluetoothプロファイル: A2DP
- 対応コーデック: aptX-LL, aptX, Fast Stream, SBC
- 通信可能距離: 30m
- 本体サイズ: 48mm(L) x 48mm(W) x 15mm(H)
- 重量: 16g(マグネットベース7g)
- 2台同時にaptX-LLによる接続が可能
- USBオーディオクラスによるUSB接続が可能
- バッテリーを内蔵せず、USB給電が必要
このBluetoothのClassというのはBluetooth通信の「最大出力&最大通信距離」を示す仕様となるのだけど、多くのBluetooth機器が最大10mの通信にしか対応していないClass2という仕様にのみ対応しているところを、Class1(最大100m)に対応している点で伝送距離については大きなアドバンテージを持っている事になる。
Class | 最大出力 | 想定される通信距離 |
Class1 | 100mW | およそ100m程度 |
Class2 | 2.5mW | およそ10m程度 |
Class3 | 1mW | およそ1m程度 |
さて、ここで、Bluetooth関連に詳しい人は「このClassというものは低い方に合わせられるので関係ないよ」と思うかもしれない。多くの機器がClass2にしか対応していない状況ではClass1にはメリットはないという話をするかもしれない。
だけど、実際に仕様はその通りになっているはずなのだけど、このPriva IIIに関しては、Class2対応のAudition Proと接続しているにも関わらず、かなり電波が強力な様子(?)で、BT-W2が「見通し10m」という製品スペックにも関わらず数mで通信が不安定になる事からすると、同程度の距離でも、かなり良好な接続が可能となっている。
具体的に、これまでBT-W2だと音声が不安定になっていたけど、このPriva IIIの導入により通信が改善された例としては、2階建ての木造の自宅で、2階にトランスミッターを設置した状態で、
- 隣の部屋に行く
- 同じ階にあるトイレに行く(w)
のみに留まらず、
- 隣の部屋に行ってドアを閉める
- 1階の冷蔵庫に飲み物を取りに行く
程度であれば、そこまで音声が乱れることなく通信が可能だった。
なお、鉄筋コンクリートだったり、途中の電波環境によってはかなり伝送距離は落ちる可能性もあるとは思うけど、木造の薄い壁程度であれば遮蔽物があっても、Class2のスペック最大の10m程度はそこまで音飛びなしに通信が可能な様に感じた。
この点、
Priva III/IIA - Troubleshooting - Short range / audio cuts?
1) Connected to a pair of over-ear headphones
- Priva III + 1 x Avantree Audition Pro: 30m/98ft(outdoor), 20m/65ft (indoor)
- Priva III + 1 x Bose QC35 I/II: 56m/183ft(outdoor), 20m/65ft (indoor)
- Priva III + 1 x Sony WH-1000MX2: 20m/65ft (outdoor/indoor)
- Priva III + 1x Plantronics Back Beat Pro:20m/65ft (outdoor/indoor)
2) Connected to a pair of small earbuds
- Priva III + 1 x Avantree NB16: 18m/54ft(outdoor), 20m/65ft (indoor)
- Priva III + 1 x AirPods: 20m/65ft (indoor)
3) Dual connection with two over-ear headphones
- Priva III + 2 x Avantree Audition Pro: 20m/65ft (outdoor/indoor)
- Priva III + 2 x Bose QC35 I/II: 30m/98ft(outdoor), 20m/65ft (indoor)
4) Dual connection with two pair of small earbuds
- Priva III + 2 x Avantree NB16: 2m/6ft(outdoor), 5m/16ft(indoor)
というわけで、Avantreeのスペックとしても、屋内で20mはイケることを公開しているので安心。
まあ、いざとなればClass1のレシーバを導入すれば良いのだけど、今のところこの「Avantree Priva III」と「Avantree Audition Pro」の組み合わせで全然問題無さそうなので、導入は様子見中。
※なお、同じメーカーであるAvantreeのAudition Proと接続した場合。TRONDのレシーバ等だと、多少距離は短く感じるが、それでも他のトランスミッターよりは安定している印象。
目次に戻る
USBオーディオクラス機器として使える!
さて、スペックとして、もう1点、他のBluetoothトランスミッターと異なる点が、USB接続を行った際に、USBオーディオ機器として認識される点だ。
つまり、デジタルのままでパソコンからPriva IIIを経由して音声が無線化されるため、アナログにいったん変換してから、再度デジタルに変換する方式に比べ、音質に関してアドバンテージがあると言える。
なお、この点は、Creative BT-W2を所有している人であれば、同様の使い方ができるという風に考えてもらって問題ない。USB側からは給電のみとして、3.5㎜ステレオジャックを用いて音声入力する事もできるので、ケースバイケースで使用方法はBT-W2より広いとも言えるだろう。
ただし、一点、PCからの認識は「USBオーディオクラス機器&HIDキーボード(音量調整やプレーヤー操作のためと想像)」として認識されるため、多少この「USBキーボードとして認識される」点ではクセがあり、スマホ接続時にはこれが少し扱いにくいように感じた。(後ほど記載)
なお、USBオーディオクラス機器として、Class2のワイヤレスヘッドホン接続時の消費電力を調べてみたけど、だいたい70mA~80mAを行ったり来たりする程度で、かなり省電力なことを確認済み。
これはBT-W2でも同等だったので、特に消費電力が多いという事もない模様。
目次に戻る
2台同時にaptX-LL接続が可能!
さて、このAvantree Priva IIIだけど、重要なポイントとして「2台同時にaptX-LL接続が可能」という点がある。
これは、多くの2台接続可能を謳うBluetoothトランスミッターが、実は「2台接続時にはどちらもSBCによる接続になってしまう」のだけど、Priva IIIは2台同時にaptX-LL通信ができるということで、大きなアドバンテージとなっている。
なお、ボクも実際に別で所有しているTRONDのBluetoothレシーバを用いて、接続を試してみたのだけど、実際にaptX-LLによる同時通信ができる事を確認している。
友人や恋人、家族などで共用して、映画や音楽を楽しむという利用形態も多くあると思うので、これも重要なポイントとなるだろう。
目次に戻る
PC接続を実際に試してみる。想定以上に快適な環境が実現!(※注意点も追記)
さて、ほとんど書いてしまった感もあるけど(笑)、ここでPC接続における使用感を書いてみたいと思う。
PCとの接続は先ほども書いた通り、本機器はUSBオーディオクラスの機器として認識されるので、USBケーブル1本で接続すれば、下記の通り、USB-DACなんかと同様に認識される。
ただし、先ほども書いた通り、キーボードとしても認識されるので、表示上は「DAC機能を備えたUSBキーボード」のように見えてちょっと変だったり(笑)
ペアリングは真ん中のゴールドになっている部分を1秒程度押すとペアリングモードに入るので、接続したい機器を同様にペアリングモードにすれば、双方で認識され、接続が確立される。
一旦接続されてしまえば、先ほどまでに書いた接続の安定性とaptX-LL自体で保証される低遅延と音質、ケーブルが無い事によるそもそもの利便性から、ずっとつけっぱなしで良いくらいに、快適そのものな環境が実現されていると言い切って良いだろう。
今も本エントリを書きながら1時間程度、Youtubeをバックミュージックとして流したり、音楽を聴いたりしながら、時折席を離れつつ(近場だけど)、作業を続けているのだけど、1度も切れることなく、作業を継続中だったり。
うーん。このPriva IIIとAudition Proの組み合わせはおそらく、現時点で1万円程度で揃えられる最強の環境の一つと言って良いだろうな。
なお、一点、注意点として、「USB接続時&音を出していない際にノイズが出る可能性がある」点も注意として記載しておこう。
これは、小さなプチッといった感じに聴こえるノイズで、どうもOSがUSBオーディオを細かく有効/無効化してる際に出ているような感じ(省電力化?)で、音を出している際はまったく気にならないのだけど、無音でヘッドホンをしている状態だと時折出るので、気になる人は気になるかもしれない(ずっと出続けるような感じではなく、たまにプチっといった感じ)。
この辺り、「Priva IIIとレシーバの相性問題」のような環境に依存する問題なのかもしれないけど、対策については引き続き調査して、何かわかれば対策を書いてみたいと思う。
なお、気になる人は、さっさと、USBからは給電のみとして3.5㎜ステレオジャック入力に切り替えれば良いと思う。(この接続に変えるとノイズが出ない事は確認済み)
音質は多少犠牲になるとは思うけど、通信の安定性&aptX-LLによる低遅延はこれでも担保されるので、使い勝手の観点からはこれでもかなり便利かと。
目次に戻る
スマホやiPhoneで使ってみたらこうなった
さて、先ほども書いた通り、Priva IIIの消費電流量は70mA強という事で、「消費電流200mA以下」とキビしい制約のあるiPhoneでも使用が可能な範囲となっている。
というわけでまずiPhoneの接続について試してみよう、ということで、実際に「Lightning - USBカメラアダプタ # MD821AM/A」を利用してiPhoneに接続して試してみた。
iPhoneとの接続テストとの結果だけど、まず、USB機器としての認識は問題なく行えている様子。
よくある消費電流量が多い等のエラーにもならないので、まず使用自体は問題ないかと。
ただ、現在原因についてはまだ調査中なのだけど、ちょっと挙動に不審な点があって、Priva IIIのLEDランプがaptX-LL接続を示す「5秒毎に白色LEDが2回点滅」となっている状態ではかなり安定した音声通信ができているのだけど、「5秒毎に青色LEDが4回点滅」というマニュアルにも載っていないモードで動作し始めた途端、音質が酷く劣化した状態になるので、ここをクリアする方法が見つからない限りは、常用は難しいように感じた。
その点、Androidとの接続時には、キーボードとして認識されてしまう事で、文字が入力できなくなってちょっと焦ったけど、設定の中で「仮想キーボードの表示」という設定で回避できるので、その他は消費電流量や音質、遅延の観点で特に問題なく使用可能だった。
なお、こちらはiPhoneのように「謎の青色LED4回点滅モード」に陥る事も無かった。
まだ外出時の使用感等は試せていないのだけど、少なくともAndroidであれば、通勤や通学時の使用時に感じるような、音の途切れ等も改善できる有力なTIPSとできるかもしれない。
以上、このスマホとの連携については、もう少し検証を続けたいと思う。
目次に戻る
まとめ:もうすっかりAvantreeの手先になりそう(笑)
4つ買った人はもう一つもらえるとか、、条件満たしてる(笑)
さて、iPhoneとのデジタル接続については、少し課題が残る結果となったけど、トータルの判断として、このAvantree Priva IIIはかなり優秀な機器であるという風に感じた。
特にバッテリーを内蔵していない分、PCとの接続時にはより単純な使用方法が可能となり、そこに
- aptX-LLという低遅延コーデックが2台同時に利用可能
- 伝送距離における安定度の高さ(ただしレシーバの性能に依存)
なお、さらにこの機器のアドバンテージを活かすのであれば、レシーバ側もClass1対応の機器を用いる事で、より安定性の高い接続性を実現できることになる。
以下にClass1に対応&レシーバ機能を持つものについて、幾つか挙げておくので参考にしてほしい。
なお、やはりClass1動作での消費電力が大きいのか、小さな機器はあまり見つからない様子なのだけど、こちらも今後調査の中で、追加できそうな物があれば追記していきたい。
現時点で、より小さく快適な接続性を求めるのであれば、Class2っぽい(記載なし)のだけど、伝送可能距離20mを謳う「TaoTronics TT-BA12」辺りをレシーバとして用いると良さそうな気もするけど、これ以上Bluetooth機器を増やしていくのも何なんで、だれか試してみて(笑)
まあ、ボク個人的には、今回の「Avantree Priva III」と「Avantree Audition Pro」の組み合わせはAvantree自体もセットで販売している、推奨構成とでも言える構成だったりするし、機器自体は2年保証もついてたりするみたいなので、好みで絶対に他の物を、なんて意地があるわけでは無ければ、こちらの導入で良いんじゃないかと思うけどね。
※なお、ここ最近、日本のAmazonだとAudition Proの値段が並行輸入業者によって釣り上げられているので、Amazon.comから購入するのがオススメ。日本への配送も可能。
以上、絶対に損はしないと思うので、興味のある方は是非試してみてください!!
スポンサーリンク
スポンサーリンク