3Dプリンタで子供のおもちゃを作ろう!(ニューブロック編)【ブロックデータサンプル有】


3Dプリンタを購入したいけど、「奥さんの許可が下りないと購入できない」なんて人も多いんじゃないかと思う。

あと、購入したはいいものの、「意外と使い道が見つからない」人もそれなりにいるんじゃないかと思う。

というわけで今回は、そのような「使用目的」の例として、学研のニューブロックを題材として「子供のおもちゃを作る」こともできるし、それによって家庭におけるパパの権威を取り戻せるかもしれないよ(笑)、という話を書いてみたいと思う。



目次

  1. いつまで”ニュー”なの?「学研ニューブロック」
  2. ニューブロックの問題点
  3. ブロックが壊れたらどうしよう?
  4. 3Dプリンタがあるなら、それで作ってみよう!
  5. Fusion360はボクらの四次元ポケット
  6. 実際のブロック製作の手順
  7. 自作ブロックで遊ぶ際の注意点
  8. 「オリジナルニューブロック」を作ろう!
  9. オモロいは作れる!


いつまで”ニュー”なの?「学研ニューブロック」


我が家には四歳の子供がいるのだけど、毎日毎日性懲りもなく、学研のニューブロックで「のりもの」をテーマにした作品を作り続けていたりする。



そういうボクも30年くらい前には同じように、学研のニューブロックで遊んでいたと記憶していて、その状況からすると、幾ら技術が進歩しようと、人類はあと数十年から数百年の間はこの「ニューブロック」で遊び続けてるんじゃないかと思う。

というか、いつまで「ニュー」なんだとはふと思うけど(笑)

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ニューブロックの問題点


さて、このニューブロックだけど、子供向けのため、丈夫にできている方だとは思うのだけど、それでも、ずっと使い続けていると、股になっている部分から割けてきて、最終的にはそこから折れてしまう

このニューブロックの困った点は、中空&ポリエチレンという素材ゆえに折れた部分を「ボンドではうまくくっつけられない」という点だ。


そして、使用頻度の高いパーツ(個数が少ないけど使い道が多いパーツ)ほど、ヘビーローテーションゆえに壊れやすいという悪循環もあって、ニューブロックに同梱されている設計図通りには、だんだんと作れないものが増えていくというジレンマがある。

意外と子供は頭が柔らかいので、そういった部分を「テキトーに回避」してる(笑)のだけど、「パパ作って」と頼まれた親の方はというと、そういうところが気になって仕方がない。

さらに、「材料が無いから作れないよ」なんて、ボクみたいに「断るための理由」にしてたりする人もいるんじゃないだろうか(笑)



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ブロックが壊れたらどうしよう?


それでは、このような重要なパーツが壊れてしまって、単品のパーツを入手したい状況になった場合、どうすればよいだろうか?

学研のニューブロックサイトのQ&Aコーナーを見てみると、以下の通りの記載がある。

Q:パーツを個別に購入できますか?
A:弊社のお客様相談室で1個から販売しております。 取扱説明書に記載の「パーツの種類と数」、または弊社ホームページのパーツ明細を参考に、必要なパーツ番号・色・必要数をお調べいただき、下記のお問合せフォームまたは、お電話でお申し込みください。

個別のパーツは販売店での入手こそ不可だけど、上記のように個別に問い合わせれば注文できるようなので、まず個別パーツを直接購入する方法があるかと思う。

ただし、おそらく送料まで考えると、この個別パーツの購入はかなり割高になると思われ、場合によっては、必要なパーツが入った追加のパーツセットを購入する方が結局安く済むケースもあるんじゃないかと思う。




というか、この「でんしゃバッグ」、めちゃめちゃいいんだけど(笑)

これも戦略によっては、新たな種類のパーツを入手できることになるので、悪くない方法だとは思う。ただし、「ただでさえ物が増えるのを嫌がる」全国の奥さん達は、これにもあまりいい顔をしないかもしれない。

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3Dプリンタがあるなら、それで作ってみよう!


というわけで。

今回、テーマに上げたように「我が家には3Dプリンタがあるんだから、それで作ってみる」というのも、もしうまくいくのであれば「不足しているものだけを必要に応じて追加する(送料なし)」という最も効率的な方法とも言えるんじゃないだろうか。

さらに言えば、「モデリングの練習にもなる」、「家族サービス」、「父親の威厳の復権」、という、「3Dプリンタ自体の購入の肯定化」とあわせて、一挙四得とも言える状況を生み出してくれるかもしれない。

そして、数々のプリント失敗を横目で見ている妻から「ゴミ製造機」と陰口をたたかれるような状況も打開できるんじゃないだろうか(笑)

これはやらんとモッタイナイ!という事で早速モデリングに入ろう。

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Fusion360はボクらの四次元ポケット


さて、3Dプリンタを所有している人であれば、おそらく愛用者も多いとは思うけど、ブロックのモデリングにはボクも普段から愛用しているAutoDeskのFusion360という3Dモデリングソフトを使用する。

まだインストールしていない人がいれば、簡単なモデリングであれば、チョイチョイといじるだけでオリジナルの3Dモデルが造れるので、ぜひインストールしてみて欲しい。

こんな素晴らしいソフトウェアが個人利用であれば無償で使えるのだから、利用しない方が損だと断言してもいい。

なお、本エントリではFusion360の使い方を書きたいわけではないので、手順の概要だけざっと説明するので、ガチで取り組む場合は、インターネット上にも情報が沢山転がっているので、そちらを参考にしていただきたい。(他力本願)


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実際のブロック製作の手順


さて、ブロックの製作の過程はざっと以下の通りとなる。

1.机上での設計(ニューブロックの計測含む)
2.「スケッチ」機能で製作するブロックの輪郭を描く。
3.「押し出し」機能で必要な分だけ厚みをつける。
4.危なくないように角に丸みをつける。
5.STL形式にてエクスポートする。
6.スライサーソフトに取り込み、出力。
7.本物のブロックと組み合わせてオフセットの確認&調整

1.机上での設計(ニューブロックの計測含む)

さて、ブロックは結構サイズ感がシビアなので、製作したいブロックの形とそれぞれの長さについて、事前に机上でしっかり整理しておく必要がある。

特にブロックのかみ合わせの部分は非常にオフセットが重要で、緩くも無く、きつくもない、絶妙なところを狙う必要がある。

なお、ボクの調整した結果からすると、ボクの3Dプリンターではブロックの実際にかみ合わせる突起部分のサイズが「13.67mm四方」というなんとも中途半端な値になっている。

これでも、横方向にはかなりいいセンをついている自負はあるのだけど、厚み方向はどうしてもプリンタのZ軸方向のオフセットがあるため、もう少し厚くても良い印象で、この辺りは面倒に思うかもしれないけど、初回の印刷で「所有のプリンタでの最適値」を探る必要がある

この点、後でボクが製作した(というほどのものじゃないけど)、意外と便利な「ミニ十字ブロック」をサンプルで公開するので、まずはこちらを出力してから方向性を決めるのも良いかと思う。(サンプルデータ)

2.「スケッチ」機能で製作するブロックの輪郭を描く。

それでは、机上で設計したデザインを元に、Fusion360で3Dモデリングにとりかかろう。

今回のように非常に単純なデザインの場合、スケッチ機能でまず輪郭を描いて、それを押し出してやるだけでほぼ完成するので非常に簡単だ。

ツールバーの「スケッチの作成」のプルダウンから「長方形→中心の長方形」を選択後に、スケッチを描く面を指定し、「横13.67㎜×縦41.01㎜」の長方形を作成、その後同じ中心を選択して、「横41.01mm×縦13.67㎜」の長方形を作成してやる。


これをそのまま押し出しても良いのだけど、一応重なったところの線を消すために「トリム」を実行しておこう。



スケッチが完了したら、「スケッチを停止」を選択して、編集を終えよう。

3.「押し出し」機能で必要な分だけ厚みをつける。

さて、今度はこれを押し出して立体化する。

ツールバーから「押し出し」を選択し、厚みとして「13.67㎜」を入力。


これでほぼ形が完成。

4.危なくないように角に丸みをつける。

このまま印刷すると、角のエッジが立っていて、かつPLAは結構固いので危なくないように必要に応じて角の丸みをつけておこう。

角の丸みをつけるためには、丸みをつけるエッジを選択し、ツールバーの「修正→フィレット」を選択し、必要な分だけ丸みをつける。このブロックの場合はだいたい「1.5㎜」くらいにしておけば問題ないだろう。


以上で完成。どうだろう。とても簡単じゃないだろうか。

5.STL形式にてエクスポートする。

完成した3Dモデルを一旦保存し、その後3Dプリンターのスライサーソフトで読み込めるSTL形式に変換する。

左部のから対象となるオブジェクト(ここの場合はBody1)の上部にマウスカーソルを移動し、右クリックすると「STLへのエクスポート」という項目があるので、これをクリック。

6.スライサーソフトに取り込み、出力。

3Dプリンタには3Dモデルのデータを3Dプリンタの制御用の「G-Code」というものに変換するソフトウェアが付属しているので、こちらに先ほどのSTL形式のデータを読み込ませて、パラメータの調整をした上でG-Codeデータを生成。

こちらを用いて印刷開始。

7.本物のブロックと組み合わせてオフセットの確認&調整


※こちらのSTL形式のデータはこちら→(サンプルデータ

最後に本物のブロックと組み合わせて、きつすぎたりゆるかったりしないかを確認しよう。この辺りは、使用する素材だったり、プリンタの特性だったりで、ボクの環境の最適値が皆さんの環境での最適値というわけでは無いので、多少の調整は必須になるかと思う。

なお、このタイミングでは、元のモデル修正も面倒かと思われるので、好みのオフセットになるように、スライサーソフト側で拡大または縮小してやれば良いかと思う。

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自作ブロックで遊ぶ際の注意点


さて、出力したブロックだけど、当然元のブロックと比較すると、色々と問題点もある。

一番の課題は、PLAやABSといった素材だと本物のブロックと違って、素材が硬すぎるために「自作ブロック⇔自作ブロック」では連結がうまくいかない可能性が高いという点だ。

というわけで、自宅で製作するブロックに関しては、あくまで、「不足パーツの代替」として、本物のブロックの間に組み合わせることが前提となる点には注意が必要だろう。

なお、もしかすると、以下のようなTPUフィラメントのようなフレキシブルな素材でブロックを製作してやれば、本物以上に素晴らしいブロックが作れるのかもしれないので、興味のある方は挑戦してみるのもいいかもしれない。



あとは、元のブロックより硬いところで、子供が投げてけがをする、なんて状況もあるのかもしれないけど、それはブロックの問題ではなくて教育の問題(笑)


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「オリジナルニューブロック」を作ろう!


さて、上記の通り、13.67㎜四方の突起を作ってやれば、ブロックとして使用できるものが作れることがわかったかと思う。

さて、上記はシンプルな形状をテスト的に作ってみたけど、当然、以下のように元のブロックのコピーを作る事もできる。(サンプルデータ




そして、応用編として、Fusion360の機能を駆使してやれば、さらに面白い「オリジナルブロック」も作れることになるだろう。

ボクの作例を紹介すると、例えば先ほどの押し出し機能に加えて、ショベルカー用の「ショベル」みたいなものも簡単に作れる。(サンプルデータ



また、Fusion360にはSVG形式のベクター図形をインポートする機能があるので、適当な気に行った形の物をインターネット上で拾ってきて、厚みをつけるなどチョチョイと加工してやることで、以下のような、レッカー車やクレーン車を作る際に必要となる「フック」なども簡単に作れたりする。


さらに他の人が作成した素晴らしい3Dモデルを編集を行ったうえで、突起部をつけて必要なパーツを追加する、なんて芸当もとても簡単にできるだろう。僕もまだ試せていないけど、以下のようなモデルを拝借して、ロボットハンドやロボットの頭部をブロック化すると面白いんじゃないかと思っている。

Robot Hand
Tiny articulated bot

まあ、こういうのやりすぎると「ニューブロックの良さ」が損なわれるので、ほどほどが良いかと思うけどね(笑)


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オモロいは作れる!


※双腕重機のアーム部分風のパーツもM3ネジが必要だったり印刷が難しかったりと要改善なんだけど、見せたからには公開。自己責任で。(サンプルパーツ

今回は、自宅に3Dプリンタがあれば、子供のおもちゃも修理&補完ができるよ、という話について書いてみたけど、皆さんはどのように思っただろうか。

ボクは、まるで、自分がドラえもんになったような、もしくは昔に映画で見たような「サンタクロースのおもちゃ工場」を自分がついに手に入れた、そんな気分になったりしている。

確かに、3Dモデリング用のソフトウェアは、取り扱いに多少慣れが必要な部分もあるとは思う。だけど、その慣れるための努力以上に、オモロい世界がそこには広がっていることはボクは自信をもって断言できると思う。

なお、ボクが今回使用した3Dプリンターは2万円台のBIQU Magicianという廉価機種なのだけど、取り扱いにはまだまだ手間はかかかるとは言え、こんな物が、安い物だと数万円から手に入る時代になったというのだから、ホント、すごい時代になったもんだと心から実感している。




※なお、BIQU Magicianを購入するきっかけになったのが以下の動画。取り扱いの注意点だけちゃんと把握すれば、精度はそれなりに出せるのでオススメ。なお、BIQU Magician以外だと「CREALITY CR10」が良いと思った。



というわけで、皆さんも是非、今回のエントリを参考に、オリジナルブロックを3Dプリンタで作成してみてはいかがだろうか。

子供にウケること、間違いなしです!!
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