ラズパイでHyperPixelでハンドヘルドPCなHyper Keyboard Piを作ろう!【ケース製作編】


さて、じんそん氏謹製のHyper Keyboard Piである。

で、今回は、Hyper Keyboard Piのすばらしさを皆様にお伝えするっ!という事では無く(笑)、自身で販売を開始した、Hyper Keyboard Pi用のケース「HKP Slim Cover Case」のマニュアルをまとめるのに、ブログの形式の方が書きやすかろう、という何とも個人的な都合だったり(笑)

なお、Hyper Keyboard Piの「オモチャとしての面白さ」については、ボクが長年、積み重ねてきた積年の思いもあるので、一度書きたいと思っているのだけど、まあ、まずはビジネスオタク(笑)としての業務を優先したいかと。




製作に必要なパーツ&道具について


さて、3Dプリンタ出力用のケースという事で、「出力と設計の都合」と私のモデリング能力の限界で、幾つか製作には部品や道具を別途調達する必要がある。(スイマセン)

ここでは、製作時に必要となる部品、工具、あると便利な道具などについてまず書きたいと思う。

1. Hyper Keyboard Pi本体

 

言わずと知れた、じんそんさん謹製のHyper Keyboard Pi。ちなみに外国のギークな方たちにも大人気(笑)

Fキーあり版Fキー無しのノーマル版があるので、お好みに合わせてどうぞ。


2. 3Dプリンタ

とにもかくにもデータしか公開しないボクなので(笑)、これが無いと始まらない。 ボクが使用しているのはFlashForge社のAdventurer3。優秀。


3. ネジ&オネジメネジスペーサー

ネジの使用を極力抑えた製作方法も検討しているけど、デザインのアクセントにもなるので、以下のネジを準備。

共通 

ボディ部組み立て用に以下のネジを準備。M2.6は世界標準だと旧仕様になってしまっているので、海外から調達する場合など、M2.5の方が入手しやすい場合は、そちらで問題ないはず。

・サイドパネル取り付け用 M2.5/M2.6×4~6㎜ 2本
・ボディ組み立て用 M2.5/M2.6×4㎜ 5本
・ディスプレイカバー取り付け用 M2.5/M2.6x4㎜ 2本
・背面固定用  M2.5/M2.6×4 1本

背面パネル上部取付用ネジ

色々と迷いがあるので、バリエーションが増えてしまった(笑)

HKP本体の上部パネルをつけたまま作業した方が自分はやりやすいので、パターンAをボクは採用しているのだけど、オネジメネジスペーサーや長いネジが多少手に入りにくいので、パターンCが一般向けなのかもしれない。

なお、依頼を受けて作った、直接ネジをねじ込むこと前提でパターンCの2.1㎜の穴を2.4㎜に拡張したバージョンも準備しました(バージョンK?w)ので、 まずはサクッと作ってみたい人はこちらのRemixデータを活用いただければと思います。

(パターンA:オネジメネジスペーサーで固定)

じんそんさんの元の仕様を踏襲した、上部の17.5㎜のオネジメネジスペーサーを6㎜に変更して製作するパターン。背面の上部のネジ2本は8㎜を推奨。上部パネルをつけたままケースの取り外しができるので、個人的には愛用。
・オネジメネジスペーサーM2.6×6㎜ 2本
・M2.6×8㎜ 2本
(入手できない場合はM2.5でも一応使える。この場合、上記のオネジメネジスペーサーもM2.5が使える。)


※なぜか手元にM2.6x4mmのオネジメネジスペーサーが余ったりしてる場合は、プラスチックのワッシャーを数枚重ねて6㎜にして使えば無問題。

(パターンB:スペーサーパーツを利用して固定)

オネジメネジスペーサー6㎜が入手しにくい場合はこちら。背面パネルから表面へ長ネジを通して、上部パネルのスペーサーで固定。15㎜のネジの方が手に入れやすい方はこちら。
・M2.6×15㎜ 2本
(入手できない場合はM2.5でも一応使える。この場合、上記のオネジメネジスペーサーもM2.5が使える。)

(パターンC:Remixデータとして準備した10㎜ネジ固定版)

いずれメイン版になるかも。パターンBのスペーサーをもう一体化して、短いネジが使えるようにしたバージョン。10㎜のネジの方が手に入れやすい方はこちら。
・M2.6×10㎜ 2本
(入手できない場合はM2.5でも一応使える。この場合、上記のオネジメネジスペーサーもM2.5が使える。)
 

4. ドリルおよびタップ

さて、ボディパーツ同士の連結や、サイドパネルパーツの取り付けに、ネジを使用する設計としているのだけど、現時点での3Dプリンタの限界として、小さなねじ切りは再現できない&穴を真円にはできない、という問題がある。

ということで、M2.5/M2.6でのネジで止める想定の穴は後で加工をする前提で、モデル上は2.1㎜の穴径としている。

なお、2.1㎜の穴に直接M2.5/M2.6のネジを挿しこむと割れる可能性があるので、以下のいずれかでねじ切り(穴あけ)をすることを推奨したい(粘りの強い素材であれば耐える可能性もあるケド、、、)。

①2.2㎜のドリルで穴開けをして、M2.6用のタップでねじ切りをする。(M2.6を使用したい場合)
②2.1㎜のドリルで穴開けをして、M2.5用のタップでねじ切りをする。(M2.5を使用したい場合)
③2.3㎜(M2.5の場合)/2.4㎜(M2.6の場合)のドリルで穴開けをして直接ネジをねじ込む。

この点、3Dプリンタの性能がまちまちなので、こういう仕様にしているので、
おそらく③が楽かと思うのだけど、自分のケース工作用にも、M2.6とかのタップはあっても良いと思うので、このあたりはお好みの方法で加工ください。

なお、タップめんどくせーという話もあると思うけど、ボクはかなり雑にやってるので、以下の手順の中で、その辺りも紹介したい。

あと、ドリルは3Dプリンタの出力物の加工程度であれば、そこまで強度も必要ないので安物でも良いと思うんだけど、AliExpressが利用できる人は、2.1~2.9㎜のドリルビットを一式調達しておくのが一番お得かと。

Free shipping 2mm 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 mm HSS-CO M35 Cobalt Steel Straight Shank Twist Drill Bits For Stainless Steel

M2.5に限定(M2.6は旧規格のため世界ではマイナー)すればタップも安いです。

XCAN 1pc M2/M2.5/M3/M3.5/M4/M5/M6 Titanium Coated Hand Tap HSS Metric Straight Flute Thread Screw Tap

なお、先ほども書いた通り、タップとかが手持ちに無いので直接ねじ込みたい、という方は、Remixフォルダに配置している以下のファイルを準備したので、こちらを利用するのが良いかと。

  • HKP_Slim_Cover_Case_top(nospacer_2_4mmholes)_V1_20191116.stl
  • HKP_Slim_Cover_Case_bottom_PlusF(2_4mmholes)_V1_20191116.stl
  • HKP_Slim_Cover_Case_bottom_Normal(2_4mmholes)_V1_20191116.stl

では、さっそく制作に入ろう!

 手順1:3Dプリンタによる出力


さて、まずはデータの購入からっ!(笑)

BOOTHのボクのサイトで販売しているので皆様、ご購入をよろしくお願いします。↓↓

 Hyper Keyboard PI 無印/+F兼用「HKP Slim Cover Case」

ちなみにBOOST↑(ブースト)機能という投げ銭機能もあるみたいよ(ボソッw)

さて、頒布しているデータについては、上記が一式となるのだけど、このうち、ボディ部
のパーツ(HKP_Slim_Cover_Case_top)のみサポートが必要となり、その他はサポート無しの出力が可能だ。

さて、ボディ部パーツについては、ボクの場合は、以下のように、「サイドパネル取り付け部」と「SDカード挿入部」、「Raspberry Piインターフェース部」の3カ所にサポートを付けて出力している。


手順2:ボディの加工



さて、出力が完了したら、さっそく組み立てていこう。先ほどお伝えした通り、ネジ部はデータ上では2.1㎜の穴としているので、ここを加工していく。

さて、先ほど「タップは結構いいかげんに使っている」という話を書いたのだけど、そのための秘密兵器がこれだ。その名を「タミヤクラフトツール モデリングドリルチャック」という。


 こちらは直径1.5~6.5㎜のドリルが取り付け可能なタミヤ製のハンドドリルとなっていて、他の人がやっているかどうかは知らないけど、ボクはこれにタップも取り付けて簡易なネジ切りを行っている。


 おいおい、そんないいかげんでいいのか、という話になるのだけど、金属の穴あけと違い、プラスチック素材は軽く柔らかいので、実際のところはこちらの方が格段に使いやすいと思う。

というわけで、上側のパーツについて

・サイドパネル取り付け用の穴2個
・下側パーツ取り付け用の両サイド2個ずつ計4カ所

について、穴あけ&ネジ切り(雑にやる場合は穴あけのみ)を行う。



そして続けて、下側のパーツについて、同様に、両サイド2個ずつ計4カ所と背面1カ所のねじ切りを行う。



なお、サイド側の細い部分は素材(シルクPLAなど)によっては「かなり割れやすい」ので慎重に作業を行う必要があるかも。場合によってはネジ固定はあきらめて、別途記載する「接着剤による固定」を試すのも良いかもしれない。

 なお、上部のディスプレイカバー固定用のネジ穴については、多少周囲に厚みを持たせているのと、どちらかというとネジの回転を固定したい(キツくしたい)ので、ねじ切り等は行わず直接ねじ込むことで問題ないかと。





 手順3:LED延長用のアクリル棒の加工


この手順は多少面倒なので、やりたい人向け。特に穴からLEDが確認できるので問題ない方はここはスキップして問題ない。

ここで行うのは、Raspberry PiのLEDインジケータの光をアクリル棒を使って、ケース表面まで導いてやろうという試みだ。

 使用するアクリル棒は直径2㎜のアクリル棒を準備しよう。

ただし。この2㎜のアクリル棒なのだけど、かなり注意が必要で、私が購入した物は実際は多少太く、ケース側の穴径を少しずつ拡張しながら試したところ、「2.3㎜」まで穴を拡張してやる事で、きつくちょうど挿入できるようになった。

このように、はめ合いの感じが、購入したアクリル棒によってもまちまちなので、「2.0㎜~3.0㎜」までの0.1㎜刻みのドリルが入手できるようであれば入手しておいた方がよいかもしれない。(以下はちょっと高いので安いのが見つかれば即効でゲットでw)





なお、長さは14㎜がちょうどいい感じだったので、14㎜にカット。

さて、端面の処理だけど、当然きれいに磨いてあげた方が導光も良くなるので、サンドペーパーで磨いて、最後にコンパウンドで仕上げるのが良いかと。

こういった一連の作業を行いやすいように、以下のようなアクリル棒を挿入し、端面を磨く際に保持して、治具ごと削って平滑を得るための治具を、サポートパーツとして準備している(HKP_Slim_Cover_Case_14mm_acrylic_pole_guide.stl)ので、使い方(15㎜くらいにカットして、両端面を磨いていく感じ)はなんとなく見てもらうとして(笑)、使えそうなら是非使ってみて欲しい。









手順4:各パーツの組み立て


ああ、もう書くこと特に無いよね(笑)

上部パーツおよび下部パーツをM2.6/M2.5 のネジで固定。


サイドパネルを先に取り付けると、Hyper Keyboard Piのボリュームとスイッチ部分が引っかかって入らないので、先にケースにHyper Keyboard Piを装着しよう。

Hyper Keyboard Piで元々M2.6x17.5mmのオネジメネジスペーサーで固定されている部分をM2.6x6㎜のオネジメネジスペーサーに変更(パターンA)。


ちなみにM2.6x4mmくらいのオネジメネジスペーサーが運よく手元にあったら、以下のようにワッシャーで延長するのでも全然問題なし。


なお、パターンBでオネジメネジスペーサー無しで組み立てる場合は、スペーサー部品(HKP_Slim_Cover_Case_6mm_spacer.stl)を出力して、以下のように両面テープで貼り付けておこう。



上部のヘッドホンジャックをスライドさせてはめ込むようにHyper Keyboard Piをケースに取り付け。


最後にサイドパネルをM2.6/M2.5x4~6㎜のネジで固定してやろう。



ディスプレイカバーを付けたい場合は、ここもM2.6/M2.5x4mmのネジで左右から固定してやる。




これで本体は完成!!



別途準備しているスタンドに立ててやる事で、ゲームコンソールとしても完璧な 「HKP Slim Cover Case」がこれにて完成ッ!!


 おまけ:ギャラリー

いやあ、試作段階から本当に色々作ったのでお披露目。

フ〇ミコンカセット風カバー

往年のあのデザインをカバーに採用(笑)


ちなみにカバーに貼り付けたラベルは、このインクジェット対応のラベルシール使ったらバッチリ再現できたのでオススメかと。

 エーワン ラベルシール ツヤ消しシルバー



近未来風ケース

カーボン調シールをカバーに貼り付けてみた


アイアン調塗装

プラスチックとは思えない重厚感。



 まとめ



最後に、有償版ケースデータの価格は780円という事で決めさせていただいたのだけど、「まあ、ボクも頑張ってるし、ラーメンくらいおごってもらってもイイだろ」という事で、この価格に決めさせていただきました。

ちなみに今日のお昼に食べたラーメンの値段です(笑)
まあ、まだ追加パーツを色々と準備する予定もある(基本料金内で使用可能!)ので、サポート費用という形で気持ちよくお支払いいただければ助かりますっ! ↓↓

 Hyper Keyboard PI 無印/+F兼用「HKP Slim Cover Case」

あと、色々と特殊な道具が必要なように書いているのだけど、まあ、無くてもまずはやってみっかという 感じでやってもらえれば。まずは楽しむのが大事かと。


その他、気になる点などあれば、メールやツイッターなどでご連絡いただければっ!!

それでは、皆さま、たのしいHyper Keyboard Piライフをっ!!
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