ちっちゃいは正義。ミニマム&高音質DAC、EarStudio HUD100レビュー【外観&スペック編】


Radsone社の新製品である、EarStudio HUD100をゲットしたぞ!!

しかも使ってみると、メチャメチャ小さくてお洒落だし、ちゃんとオーディオしてるしで、好印象。

というわけで、今回は久々にUSB-DACの話なんかを書いてみたいと思う。なお、書いてると色々と書きたいことがあって、スペックや外観について書いた前編実際の使用感や音質について書いた後編に分けたので、その点はご理解いただきたい。


さて、ボクのブログをそれなりに読んだことがある人なら、ボクが過去より、「小さなUSB-DAC」という物にずっと興味があって、色々と書いている事はご存じかと思う。


そして、このエントリの中では、「もしかしたら、これからはUSB-DAC機能を持つBluetoothレシーバが良いんじゃないか?」なんてことを書かせていただいていた。

その後、さらに、以下のようなエントリを追加している事からもわかるように、EarStudio ES100を実際に購入して、未だに愛用していたりする。


さて、実はこの記事を書いた後に、ずっと書こうと思っていた内容がある。

それはズバリ、「音楽をガチで聴く時は、やっぱりBluetoothじゃものたりないかな~」なんていう話。

これは何も、Bluetooth自体を否定したいわけではない。Bluetoothでも、LDACを使えば、なかなか音も良いし、とにかくワイヤレスと言うのはメチャメチャ便利だ。

だけど、やっぱり、ボクのオーディオライフにおいて、ガチの音楽鑑賞の際には、Bluetoothだと、なんだか物足りないなあと思ってしまう状況は今も変わっていなくて、音楽鑑賞の際は、可能な限り、DAP(オーディオプレーヤー)か、USB-DAC、ラズパイオーディオみたいな有線DACを用いているのが実状だったりする。

これは簡単な話で、Bluetoothはその仕様上、どうしても音声を圧縮して情報を伝送するので、幾らLDACを用いようと、やはり音は痩せ、その痩せはどうやっても元通りにならないからだ。

当然、YoutubeやSpotifyなどの圧縮音源全盛の時代が来ていることもわかるんだけど、やはり音源には敬意を払いたいし、手元にはハイレゾ音源もあって、大好きな曲だからこそ、なるべく良いオトで聴きたい、というシンプルな気持ちなんだけどね。

言うならば、作業の合間などに、ふと顔を見上げ、周囲の様子を眺めつつ飲むコーヒーのお供には、「BGMを超えたちょっとリッチな音楽体験が欲しいよね」といった、そんな話なんだけど。

突然やってきた、EarStudio HUD100。(まる)


さて、前置きが長くなったけど、この、「ブレイクタイムのちょっとしたガチな音楽体験」を実現するものとして、最近のポタオデ界隈では、「高級DAP」なんかが流行していると思う。

ただ、ボクも欲しいとは思いつつも、生来の貧乏性なボクにとって、アレは大画面液晶とかOS、バッテリーなんかの音楽体験以外の要素にどうしてもコストが多くかかってる気がして、ちょっとコスパが悪いように感じていて、なかなか手が出せないでいたり。

まあ、そもそもスマホあるのに、同じようなものを2個持ちたくないという気持ちもあるんだけど。

というわけで、どうせなら、手持ちのPCやスマホに音楽を突っ込んで、それをBlutoothでBGMとして楽しんで、ちょっと「ガチ」に音楽に浸りたい時は、素性の良いUSB-DACなりでPCやスマホの音源を楽しめる方が良いよな~、なんてことをずっと思っている。

で、そんなタイミングで何かを察したのか(笑)、Radsone社から紹介していただいたのが、EarStudio HUD100だ。しかも、なんとサンプルを提供しても良いとの申し出まで頂いた。(ここ重要。すごいね。ボクもいっぱしのインフルエンサーだねw)

だけど、正直なところ、ボクは、「興味がないモノ」について、サンプル提供だからといって、テキトーにヨイショのエントリを書くなんてことはできない。

というわけで、紹介を受けた時点では知識がなかったので、ちょっと調べてみたのだけど、うーん、なかなかワクワクするプロダクトなんだよね(笑)

というわけで快諾(笑)

Radsone社のプロモーション担当の方、ボクを見つけてくれて本当にありがとう(笑)

外観などファーストインプレッション


というわけで、EarStudio HUD100の外観から見ていこう。

相変わらず、「開封の儀」みたいなのはゴミコンテンツだ!なんて言いたいのだけど、パッケージもいい感じだし、開封した時の満足度も高いので、パラパラ漫画的に開封(笑)


なお、同梱物はかなりシンプルで、以下の通り。

・EarStudio HUD100(本体)
・収納ケース
・USB Type-Cケーブル(1.0m )
・USB Type-Cケーブル(10cm)
・マニュアル


うおっ。小さい!

というわけで思わず手元にあった500円玉と比較。


縦横のサイズは、だいたい横幅が通常サイズのSDカードを横に2枚並べた程度厚さは8㎜ということで、だいたいiPhone全般の厚さが8㎜前後なので、それと同程度と考えれば想像しやすいかもしれない。


バッテリーやBTの基板を搭載していないので、ES100(ES100MK2)と比べても、体積比で43%しかないという事だ。

そして、重さは21.5gという事で、写真に写っている500円玉が1枚7gなので、だいたい500円玉3枚くらいの重量といえるだろう。

どうだろう、この小ささが伝わるだろうか?


とにかくこの程度の小ささなら、邪魔になる事も無く、下手すると財布なんかにも入ってしまうサイズ感だ。いや、ホントに小さいよ、コレ。

なお、このサイズ感ゆえに、入出力やスイッチ、インジケータは最低限となっている。

・動作状態表示用インジケータ
・3.5㎜アンバランス出力(Standard:一般向け)
・3.5㎜アンバランス出力(High Power:250Ω以上のヘッドホン)
・サウンドモード切替スイッチ(ByPass/DCT/Dynamic)
・USB Type-Cの入力ポート
・ファームウェアアップデート用スイッチ


いや、まあ、このサイズ感だと最大限という方が正しいのか(笑)

質感は、メタルハウジングとなっているので、ES100のようなチープなプラスチッキーな印象はまったくない。

21gというと重さとしては軽いのだけど、その小ささゆえに、ズシっと中が詰まった印象でその点でも高級感は高いと思う。

あと、USB Type-Cのケーブルが10cm/1.0mの物が付属しているのだけど、きっちりロゴも含めてデザインされていて、こういう点はさすがに手抜きが無くて好印象

収納ケースもEarStudioのロゴが刻印されていて、フェイクレザーっぽいけど、実に質感が良くてお洒落。


うーん、こういうところのデザイン、隙がなくて良いね。

EarStudio HUD100の基本スペックの確認


さて、それでは次に基本のスペックなどを確認していこう。

EarStudio HUD100のスペックはざっと列挙すると以下のような感じ。

DAC IC:旭化成エレクトロニクス製AK4377
入力:USB Type-C
出力:3.5mmアンバランス2系統(Standard:0.914Vrms/High Power:2.26Vrms
出力インピーダンス:1Ω以下
THD+N(Standard):-105dB(0.00056%)
THD+N(High Power):-102dB (0.00079%)
Dynamic Range:118dB(Standard/High Power)
対応フォーマット:PCM384kHz/32bit, DSD128(DoP)
対応環境(PC):Mac OS 10.10以上/Windows7以上(※)
※Windows用ASIOドライバー有。
対応環境(スマホ):iPhone6以上(iOS10.3.3以上)/Android6.0以上
サイズ:45mm×32mm×8mm
重量:21.5g


まず、採用されているDAC ICは旭化成エレクトロニクスのAK4377、というところで、現時点のAKMシリーズの中では、「384kHz/32bitのハイレゾ&DSD対応のポータブル用で低電圧駆動できる最新のDAC」という事で、この21gしかない小さなDACには最適解と言えるんじゃないだろうか。


なお、個人的には、現時点ではハイレゾ音源とよばれている音源は、せいぜい「96kHz/24bit」程度までのものが99.99%以上を占めていると思うので、現時点でオーバーサンプリングして遊んだり、将来、さらにデータ量の多い音源が流通した場合にも十分余裕のあるスペックとなっており、必要十分なスペックであると言える。


出力ポートは「Standard/High Power」の2系統の出力(3.5mmアンバランス)を備えており、High Power側では250Ω以上のヘッドホンにまで対応する事を謳うなど、この小さな筐体からは想像できない、パワフルさを兼ね備えていることになる。


そして、THD+NはStandard側で-105dB(0.00056%)、High Power側で-102dB(0.00079%)、Dynamic Rangeは118dBと、パワフルなだけではなく、歪みやノイズが高いレベルで抑えられており、実に優秀なスペックを所持しているDAC&Ampであると言えるだろう。

なお、このスペックがどの程度か、という話になるのだけど、スペックだけで言えば、高級DAPの例として、例えばAstell&kernの「A&ultima SP1000(定価50万円!)」のスペック表では「S/N:アンバランス 120dB @ 1kHz」および「THD+N アンバランス 0.0005% @ 1kHz」との表記があるので、こういった高級DAPにも見劣りしないスペックとなっていると考えてよいかと思う。
※なお、Dynamic RangeとS/Nは意味が異なるんだけど、多くの機器で同程度の値を示すことが多い。


あと、一応書いておくとUSBポートがちゃんと着脱式になっていてかつ、Type-Cが採用されている点も好印象。現時点だと、MicroBを採用しているDACよりなんだか高級感あるしねw

他とはちょっと違う、EarStudio HUD100の特徴について


さて、基本的なスペックの確認についてはこれくらいにするけど、ざっとスペックを確認したところで、この小さな筐体に高い基本性能が凝縮されていることについては感じ取ってもらえたんじゃないかと思う。

ただし、RadsoneのEarStduio HUD100は、ただスペックだけを前に押し出したような、中国メーカーの安価な製品とは異なり、スペックのみではなく、この小さな限られた筐体サイズの中に「実にオーディオらしいエッセンス」を詰め込んでいるので、そういったところもぜひ紹介してみたいと思う。

なんかスゴい!?業界初、MEMSオシレータ採用


EarStudio HUD100の製品ページを見てみると、「HUD100はマスターオーディオクロックにMEMSを採用した業界初のDAC」とあり、MEMSタイミング・デバイスにおいてリーダー的な役割を果たしている、米SiTime社のMEMSオシレータを水晶発振器として採用している。
では、いったい、このMEMSオシレータというものが何なのか、という話になるんだけど、オーディオ用のマスタークロックに使う、従来のTCXOなどの水晶発振器を置き換える物で、「一般論的に」は以下のような特徴を持っている。

・小型化可能
・高性能でジッターを低減可能
・低消費電力
・温度特性や衝撃や振動に強い

さて、ここのジッターの話などはざっとネットを見ている限りで言うと、従来の水晶振動子とあまり差はないなどの話もあり、基本性能は高いとは言え、まだ、現時点ではオーディオ用途での有効性は、評価の段階にあると考えた方が良いかもしれない。

ただし、CPUなどと同じシリコン技術で作られているため、温度特性などの面で優れており、小型化や低消費電力性に優れ、また、振動部の重量が軽いために衝撃や振動に強いという特徴については、まさに「常に悪環境にさらされている」ポータブルオーディオに有利な特性を持っていると言える。

以上の通り、MEMSオシレータの採用は、まだ、オーディオへの採用はこれから、といえるのかもしれないけど、コストアップにつながるにも関わらず、有効性を見定め、業界に先駆けて製品に実装してきているのは、このEarStduio HUD100のオーディオに対する本気度がうかがえる、一つのポイントじゃないかと思っている。

ハイパワーポートで高インピーダンスヘッドホンも利用可能


さて、製品を評価していく中で、ボクの中での「このプロダクトの基本ポリシー」みたいな物がなんとなく見えてきたりしている。

それは、

ミニマム&ハイパワーなちゃんとしたDAC&アンプを作る

という設計ポリシーだ。

そのために、この「厚さ8㎜&重さ21g」という小さな世界に何をそぎ落として残すか、という選択の中で「ヘッドホンをどのように駆動するか」という点をかなり重視しているように思う。

さて、その上で、「2.26Vrmsのアンバランス出力」が可能なハイパワーポートを搭載というポイントをどのように考えるかについて考えてみよう。

ここを評価する上では、簡単な方法としては「ヘッドホンを駆動できる」を謳う他の高級ポータブルアンプの例を見てみると良く、先に書いた、Astell&KernのSP1000でも、アンバランス出力で2.2Vrmsとなっており、このEarStudio HUD100の2.26Vrmsというのが、必要十分な出力となっていることがわかるだろう。

まあ、さすがに公称インピーダンスが600Ωの独beyerdynamicのT1 2nd Generationみたいなのは無理かもしれないけど(誰か試して!)、250Ω以上のヘッドホンには対応できることを謳っているし、例えば、ド定番のSennheiser HD 650(インピーダンス300Ω)なんかであれば、問題なく再生できると考えて良いんじゃないかと思う。



あと、StandardとHigh Powerで2ポートに分かれている点も言及しておくと、回路設計上は「1つのポートでハイからローまでを対応する」というのは、最適化の面でかなり難しいので、素直に2回路に分けてそれぞれで最適化する、というやり方はこの小さなDAC&アンプでは好ましいアプローチと言える。

この点、見た目の派手さを優先して、1ポートをバランス出力にする、というやり方もあったとは思うのだけど、おそらく、USBポートだと流せる電流に制約があって出力は大きくできないし、筐体が熱くなる&サイズがデカくなる&上記のようなまともな最適化ができなくなる、という事でデメリットの方が結局大きくなる、という判断なのかと。

なお、もしかしたら2ポート同時に使えるんじゃないかな~とか期待しているのもあるんだけど(笑)

ARMプロセッサ搭載が新しい!


さて、あまり他のDACでは見た事がない実装がEarStudio HUD100には存在していて、それが、この小さな筐体に「ARMプロセッサ」が搭載されているという点だ。

これも、DACとしてこのようにARMプロセッサを搭載しているのは「初」ということだ。

ARMプロセッサとはつまり「低消費電力で動作するCPU」で、現在スマートフォンでも採用されているものと同じようなものを、EarStudio HUD100ではこれをRadsone独自のアルゴリズムをリアルタイム適用するために用いているという事だ。

このARMプロセッサは、現在のところは「DCT(Distinctive Clear Technologyの略)」モードという、Radsone独自の「具体的にはデジタル音楽信号を解析してアーチファクト(デジタル演算による副作用成分)を取り除くモード」の実装や、Dynamicモードという「Radsone独自のパワーとバランスを兼ね備えた再生モード」の実装に使用されている。

さて。それでは、このARMプロセッサの実装から得られる利点は何か。

それはまず一つには、再生するプレーヤー(ソフトウェア)に依らず、DAC(ハードウェア)側の高音質機能として、どんな環境(Mac/Win/Linux/Android/iOS)でもRadsoneの高音質機能を有効化できるというポイントがあるだろう。

そして、ARMプロセッサという汎用CPUを使用している事により、例えばDCTのアルゴリズムの高度化や、DynamicモードをCool&Beautyモード(仮1)や真空管モード(仮2)に新たに割り当てるなんて、高音質機能の拡張がFirmwareのアップデートで可能になる事が期待できる点だ(※念のため。現時点でそんなモード無いよw)。

この点、オーディオというのは色々とっかえひっかえ試す、というのも面白いのだけど、一流レストランでそのシェフの味を楽しむのと同様に、その製品自体の目指した音を聴く、というのは「ライトなオーディオ趣味」では重要なポイントじゃないかと思っている。

以上、再生環境に依存せず、さらにアップデートをかけられるという意味で、汎用プロセッサによって高音質機能を実現する、という実装は今後一つのスタンダードになりうる、面白い試みなんじゃないかと思う。

シンプルなインジケータ機能

まあ、これは「スゴい!」というやつじゃないんだけど、個人的にうれしかったので書いておこう(笑)

スペックに表れていないところとして、インジケータの表示があるのだけど、再生時のサンプルレートによって、インジケータLEDの色が変わり、

緑:44.1kHz
青:48kHz
水色:88.2kHz/96kHz
赤:176.4kHz/192kHz
黄緑:352.8kHz/384kHz
○白:DSD64/DSD128

といった感じで、DACが実際に処理しているデータのサンプルレートが一目でわかるので便利だ。


ちょっと緑と黄緑の差がわかりにくいけど(笑)

特に、現時点のファームウェアの制限で、「高音質化機能(DCT/Dynamic)の適用は44.1kHz再生時のみ」という制約があるので、それが「ふむふむ。今はちゃんと適用されているな」と目で見えるのは何気に便利(笑)

後編に続く


さて、それではPCに接続して、使い勝手や音質などについて書くところまで一気に行くぜ!、なんて思っていたのだけど、色々と面白いポイントについて調べながら書いていたらずいぶん長くなってしまったので後編に続きます(スイマセン)

なお、前編を読んでいただいた方は感じ取れたかもしれないけど、この小さなDAC、なかなかにちゃんとオーディオしてるなあというのが第一印象。

荷物が増えるのは嫌だけど、外出先や、仕事や勉強中の息抜きにある程度ちゃんとした音楽再生環境が欲しい、なんて言う人にとってはかなり有力な選択肢の一つだと言い切っていいかと思う。

当然、音に関しても期待していただいて良いので、後編ではPC接続時の注意点や、色々な音源を使って、音楽を聴いた印象などを書いてみたいと思うので、ご期待ください!!

以上、長文読んでいただき、ありがとうございました!


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